根拠に基づく腰痛の原因と治療

このページはTMSジャパン公式ブログにて発信されている根拠に基づく腰痛の原因と治療の備忘録としてまとめました。



 根拠に基づく腰痛の原因と治療-65-

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■大部分の家庭医は医学図書館で過ごす時間がほとんどなく、質の高い根拠に基づく研究に触れる機会がない。質の高い研究には多大な努力が注がれているものの、多くの医療従事者は自分の仕事に関する科学的根拠をけっして知ることはない。http://1.usa.gov/RBGneb

■慢性RAでNSAIDsを服用している患者8843名を対象にしたRCTの結果、75歳以上・消化管出血の既往・消化性潰瘍の既往・心疾患の既往が胃腸合併症の危険因子として判明したが、ミソプロストールは合併症を予防できる。http://1.usa.gov/RBKkiX

■プライマリケア医・整形外科医・カイロプラクターを受診した急性腰痛患者を比較した結果、回復率には差がないことが判明。治療費はプライマリケア医が最も安く、満足度はカイロプラクターが最も高く、整形外科医は治療費と満足度の両面に問題あり。http://1.usa.gov/RBOsze

■アスリートにとって腰部椎間板ヘルニアは震え上がるような病気だが長期的予後は驚くほど良好。坐骨神経痛は自然治癒する可能性がきわめて高く、保存療法を行なった患者の38%が1ヶ月以内に回復し、52%が2ヶ月後までに回復する。http://1.usa.gov/Q4de6P

■アスリートが早期復帰を望むと正常な臨床判断ができなくなる。椎間板手術に与えられたチャンスは最初の1回だけ。手術を繰り返すたびにさらに悪化するため、椎間板切除術の適応に少しでも疑わしい点があれば手術を行なうべきではない。http://1.usa.gov/Q4lmUF

■臨床医はアスリートの心理社会的因子を慎重に評価すべき。疼痛が患者にどのような心理的影響を与えているか、不自由を強いられることによる社会的・経済的・法的影響、病気か健康かによって何を得るかを理解しなければならない。http://1.usa.gov/Q5zcWR

腰部脊柱管狭窄症による椎弓切除術を受けた患者88名を約10年間追跡調査した結果、75%が手術の結果に満足していたものの、23%が再手術を受け、33%が重度の腰痛を訴え、53%が2ブロック程度の距離も歩けないことが判明。http://1.usa.gov/Q5Iwdr

■腰痛と坐骨神経痛に対する硬膜外ステロイド注射に関するRCT(ランダム化比較試験)の系統的レビューを実施した結果、硬膜外ステロイド注射の有効性を示す科学的根拠は見出せなかった。もし効果があるとしても短期間しか持続しない。http://1.usa.gov/RMS79z

■自動車保険制度のないリトアニアにおいて、過去3年間に追突事故に遭った202名と交通事故の経験のない202名を対象に、頚部痛・頭痛・腰痛・神経障害などの有無と頻度を詳細に比較した結果、両群間に有意差は認められなかった。http://1.usa.gov/RMVVaL

■平均年齢40歳の健常者60名を対象にMRIで胸椎を調べた結果、37%に明らかな椎間板ヘルニアが、53%に椎間板膨隆が、58%に線維輪断裂が、29%に脊髄の変形が認められた。無痛性胸椎ヘルニアはきわめて一般的な所見。http://1.usa.gov/RNhYhG


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-64-

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■【無菌水注射】トリガーポイントへの無菌水皮下注射は、通常生活への復帰を目指した活動性を促す補助手段としてグレード2のWAD(むち打ち関連障害)患者に用いることができる。http://1.usa.gov/LYNegq

■【薬物療法】1)グレード1のWAD患者にはいかなる薬物も処方してはならない。2)短期間であればグレード2と3のWAD患者に非麻薬系の鎮痛剤とNSAIDを処方できるが、3週間を超えてはならず、副作用に注意する必要がある。http://1.usa.gov/LYNegq

■3)グレード1と2のWAD(むち打ち関連障害)患者に麻薬系鎮痛剤を処方すべきではないが、激しい痛みのある急性期のグレード3患者に限れば一時的に処方することができる。4)急性期のWAD患者に筋弛緩剤を処方してはならない。http://1.usa.gov/LYNegq

■5)どのグレードであってもWAD患者に向精神薬は勧められないが、急性期(3ヶ月以内)の不眠や緊張状態に対する補助手段として処方してもよい。慢性(3ヶ月以上)のWAD患者には抗不安剤と抗うつ剤を処方することができる。http://1.usa.gov/LYNegq

■【その他の治療】1)グレード1の患者には直ちに通常生活を再開するよう勧めるべきで、ネックスクール・仕事の変更・リラクゼーション法の適応はない。2)グレード2と3の患者にはできるだけ早く通常生活に戻るよう勇気づけるべき。http://1.usa.gov/LYNegq

■3)ネックスクール(頚痛教室)・一時的な仕事の変更・リラクゼーション法・鍼治療は、症状が3週間以上持続しているWAD(むち打ち関連障害)患者の任意的補助手段として認められる。http://1.usa.gov/LYNegq

■4)磁気ネックレス・薬草(漢方薬を含むハーブ療法)・ホメオパシー・リフレクソロジ―(反射療法)などといった話題の治療法が有効だとするエビデンスはなく、特に磁気ネックレスは用いるべきでない。http://1.usa.gov/LYNegq

■慢性腰痛(3ヶ月以上持続)患者63名を対象に腰部椎間関節の変形をCTで調べた結果、痛みを有する患者と無症状の患者との間に有意差が認められなかったことから、CTは腰部椎間関節症の診断法として役立たないことが判明。http://1.usa.gov/RxeS5a

■高性能の画像診断の普及によって1990年代から脊柱管狭窄症が増加したが、100名の脊柱管狭窄症患者(平均年齢59歳)の臨床症状と画像所見(単純X線撮影・脊髄造影・CT)を比較した結果、両者間に関連性は見出せなかった。http://1.usa.gov/RxEUW4

■慢性疼痛患者558名を対象に痛みと天候との関係について調査した結果、寒い地方の住人だからといって疼痛レベルも疼痛頻度も高いわけではなく、天候が疼痛に影響を与える事実は見出せなかった。それは単なる思い込みに過ぎない。http://1.usa.gov/PTDMx5


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-63-

『むち打ち関連障害の診療ガイドライン』の続きです。国民の利益になるかもしれません。もしご迷惑でなければ「シェア」をお願い致したく存じます。いちいち承諾を得る必要はありませんので、SNSはもちろんブログやサイトに引用先のURLごとコピー&ペーストして、情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。

■【運動】限られたエビデンスからROM(関節可動域)運動はただちに実行されるべきである。痛みが激しい時は休み休み行なう必要があり、症状の悪化がみられた場合は臨床的判断が重要である。http://1.usa.gov/LYNegq

■【姿勢のアドバイス】限られたエビデンスからWADにおける姿勢に関するアドバイスは他の活動的な治療法の併用療法として処方することができる。ただし具体的にどのようなアドバイスが有効かについては不明。http://1.usa.gov/LYNegq

■【スプレー&ストレッチ】トリガーポイント療法で行なわれるスプレー&ストレッチ、すなわちコールドスプレーによって瞬間冷却した後に筋肉をストレッチする方法は、WAD(むち打ち関連障害)の治療に勧められない。http://1.usa.gov/LYNegq

■【牽引】限られたエビデンスからWAD(むち打ち関連障害)における頚椎牽引は他の可動域をを広げる治療法の併用療法として用いることができる。急性期(受傷後4日以内)なら一時的に症状を改善する可能性がある。http://1.usa.gov/LYNegq

■【物理療法】1)グレード1に対するプラシーボ対照試験でPEMT(パルス磁気療法)の有効性が認められたものの、3ヶ月にわたって1日8時間のソフトカラーを装着させた研究だったことからWADの治療として勧められない。http://1.usa.gov/LYNegq

■2)グレード2と3に対するその他の物理療法(温熱・アイシング・マッサージ・低周波・超音波・レーザー・短波ジアテルミー)は、受傷後3週間以内なら通常生活への復帰を目指した活動性を促す補助手段として用いることができる。
http://1.usa.gov/LYNegq

■【外科手術】グレード1と2に外科手術の適応はない。外科手術は一部のグレード3、すなわち保存療法に反応しない持続的な腕の痛みか、急速に進行する神経麻痺があるWAD(むち打ち関連障害)患者に限定されるべきである。http://1.usa.gov/LYNegq

■【ステロイド注射】1)WAD(むち打ち関連障害)患者に関節内ステロイド注射は推奨できない。2)硬膜外ステロイド注射はグレード1と2に行なわれるべきでないが、グレード3で1ヶ月以上持続する神経症状には有効かもしれない。http://1.usa.gov/LYNegq

■3)トリガーポイントへのステロイド注射の繰り返しによる有害な副作用が報告されているため、RCTによってWAD(むち打ち関連障害)に対する有効性が証明されない限り、トリガーポイントへのステロイド注射は行なうべきでない。http://1.usa.gov/LYNegq

■4)髄腔内へのステロイド注射は重大な危険を伴うため、どのグレードであってもWAD(むち打ち関連障害)患者に対して行なうべきでない。http://1.usa.gov/LYNegq


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-62-

『むち打ち関連障害の診療ガイドライン』の続きです。いちいち承諾を得る必要はありません。SNSはもちろんブログやサイトに、引用先のURLごとコピー&ペーストして情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。

■【画像検査】1)グレード1および2の患者に断層撮影・CTスキャン・MRI・ミエログラフィー・椎間板造影・シンチグラフィー・血管造影の適応はない。2)画像検査はグレード3の患者に専門家か外科医の判断で実施されるべき。http://1.usa.gov/LYNegq

■【特別な検査】1)SSEP(誘発電位)はグレード3の患者に専門家か外科医の判断で実施されるべき。2)EMG(筋電図)や神経ブロックはグレード2および3の患者に専門家か外科医の判断で実施されるべき。http://1.usa.gov/LYNegq

■3)WAD(むち打ち関連障害)患者に対するその他の特殊な検査は、すべて専門家か外科医の判断に任せるべき。http://1.usa.gov/LYNegq

■ケベック特別調査委員会はWAD(むち打ち関連障害:whiplash-associated disorders)治療法として次の15について勧告を出している。すなわち「頚椎カラー」「安静」「頚椎枕」「マニピュレーション」http://1.usa.gov/LYNegq

■「モビリゼーション」「運動」「姿勢のアドバイス」「スプレー&ストレッチ」「牽引」「物理療法」「外科手術」「ステロイド注射」「無菌水注射」「薬物療法」「その他の治療」である。http://1.usa.gov/LYNegq

■【頚椎カラー】頚椎カラーの有効性はRCTで証明されていないため、グレード1の患者に頚椎カラーを処方してはならない。たとえグレード2や3の患者に処方したとしても、回復が遅れるので72時間(3日間)を越えてはならない。http://1.usa.gov/LYNegq

■【安静】安静の有効性はRCTで証明されていないため、グレード1の患者に安静を処方してはならない。回復が遅れるのでグレード2や3の患者に4日以上の安静を処方してはならない。むしろ普段通りの生活を送るよう勇気づけること。http://1.usa.gov/LYNegq

■【頚椎枕】頚椎枕(サービカルピロー)の有効性はRCTで証明されていないため、WAD(むち打ち関連障害:whiplash-associated disorders)に頚椎枕を処方してはならない。http://1.usa.gov/LYNegq

■【マニピュレーション】長期間にわたる治療は正当化されないが、短期間ならWADの治療に脊椎マニピュレーションを用いることができる。ただしこのテクニックを行なうのは有資格者に制限すべきである。http://1.usa.gov/LYNegq

■【モビリゼーション】限られたエビデンスからモビリゼーション(瞬間的に外力を加えることなく可動制限がある関節の可動域を無理なく徐々に広げて行く他動的ストレッチ)はWAD(むち打ち関連障害)の治療として用いることができる。http://1.usa.gov/LYNegq


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-61-

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■【グレード0】頚部の症状がなく理学所見も異常なし。【グレード1】頚部痛・凝り・圧痛のみで理学所見に異常なし。【グレード2】頚部の症状に加えて筋骨格系所見(可動域制限・圧痛点など)あり。http://1.usa.gov/LYNegq

■【グレード3】頚部の症状に加えて神経学的所見(深部腱反射の低下や消失・筋力低下・知覚障害など)あり。【グレード4】頚部の症状に加えて骨折か脱臼あり。http://1.usa.gov/LYNegq

■なお、難聴・めまい・耳鳴り・頭痛・記憶喪失・嚥下困難・顎関節痛はすべてのグレードで生じる症状であり、グレード0はもちろんグレード4はすでにむち打ち症といえるものではないため、特別調査委員会はグレード1~3を対象とした。http://1.usa.gov/LYNegq

■WADの診断に関する文献調査から次の事実が判明。1)患者の評価は詳細な病歴聴取と理学検査により十分可能である。2) グレード1では画像検査や特別な検査は必要ない。3)グレード
2と3では頚椎のレントゲン撮影が必要である。http://1.usa.gov/LYNegq

■ケベック特別調査委員会はWAD(むち打ち関連障害:whiplash-associated
disorders)の診断法として「病歴聴取」「理学検査」「単純X線撮影」「画像検査」「特別な検査」について勧告を出している。http://1.usa.gov/LYNegq

■【病歴聴取】病歴聴取は全グレードのWAD患者に必要で以下の情報が含まれるべきである。1)生年月日、性別、職業、家族構成、婚姻関係。2)むち打ち症を含む首の問題の既往歴。3)痛み、筋緊張、麻痺、筋力低下、頚椎以外の症状。http://1.usa.gov/LYNegq

■4)症状の部位、発症時刻、発症状況。5)受傷原因(スポーツ、自動車事故など)。6)受傷のメカニズム。【理学検査】理学検査は全てのWAD患者に必要で、少なくとも以下の検査が含まれるべき。1)視診。2)患部の触診。http://1.usa.gov/LYNegq

■3)可動域の評価(屈曲・伸展・回転・側屈)。4)上肢と下肢の神経学的テスト(腱反射・知覚検査)。5)合併症の評価。6)必要に応じて一般的臨床検査。http://1.usa.gov/LYNegq

■【単純X線撮影】1)グレード2および3の患者は、頚椎の単純X線撮影が必要で前後像・側面像・開口像を撮影すべきである。2)また7個の全頚椎とC7-T1の椎間板スペースが撮影されていなければならない。http://1.usa.gov/LYNegq

■3)時には屈曲位か伸展位での撮影を必要とするかもしれない。4)意識がはっきりしていて理学所見のないグレード1の患者は、知覚麻痺をきたすようなアルコールや麻薬といった薬物の影響がみられない限り単純X線撮影は必要ない。http://1.usa.gov/LYNegq

 根拠に基づく腰痛の原因と治療-60-

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■ギプスジャケットが急性腰痛や坐骨神経痛に有効だというエビデンスはなく、脊椎のこわばり、筋肉の衰弱、ギプスによるただれ、呼吸器系の合併症を誘発することがあり、心理社会的影響も大きい(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■耐え難い腰痛を訴える椎間板に起因する腰痛患者は、手術を受けなくても3年後には68%が改善し、労災補償患者でさえ80%が改善していた。改善率が68%を超えられないのであれば、ある治療法を椎間板変性腰痛に実施すべきでない。http://1.usa.gov/LPB9IN

■硬膜外ステロイド注射は坐骨神経痛患者の費用対効果の高い治療法とされてきたが腰椎や仙骨への硬膜外ステロイド注射に関する二重盲検比較試験はなく、坐骨神経痛に対して有効性を示す根拠がないためオーストラリアでは使用制限を検討。http://1.usa.gov/Kyps98

■AHCPRが1994年12月に『成人の急性腰痛診療ガイドライン』を発表した翌年の1995年1月、カナダのケベック特別調査委員会が『むち打ち関連障害の診療ガイドライン』を発表しています。これからその勧告を紹介します。http://1.usa.gov/LYNegq

■むち打ち症は自動車の追突事故などで頚部に過伸展と過屈曲が加わって生じる外傷性頚部症候群であり、損傷の程度によって無症状のものから骨折や脱臼による脊髄損傷に至るまで様々であるがゆえに、むち打ち症の捉え方にばらつきがある。http://1.usa.gov/LYNegq

■そこでケベック特別調査委員会(タスク・フォース)は、最優先課題としてむち打ち症(whiplash injury)の定義を明確にする必要があった。特別調査委員会でコンセンサスが得られたむち打ち症の定義は以下の通りである。http://1.usa.gov/LYNegq

■むち打ち症(whiplash injury)とは自動車の衝突事故や落下事故などで前後または側面からの加速減速エネルギーが頚部に衝撃として伝達されることによって、骨組織や軟部組織の損傷を招いて多種多様な症状が生じるもの。http://1.usa.gov/LYNegq

■またケベック特別調査委員会は、むち打ち症によって引き起こされる一連の臨床症状を、「むち打ち関連障害(whiplash-associated disorders:以下WADと記す)」という用語で論じることを採択した。http://1.usa.gov/LYNegq

■WAD(むち打ち関連障害)には、頚部痛・頚部緊張・頭痛・肩の痛み・腕の痛みや麻痺・感覚異常・疲労倦怠感・嚥下困難・視覚障害・聴覚障害・めまい・耳鳴り・睡眠障害・情緒不安定・記憶喪失・顎関節疾患などが含まれている。http://1.usa.gov/LYNegq

■治療計画を立てるだけでなく、治療法の効果に関する研究、他科へのスムーズな紹介のためには、むち打ち症によって起こり得る多種多様な症状を分類整理する必要があると判断した特別調査委員会は、「ケベックWAD分類」を提案した。http://1.usa.gov/LYNegq

 根拠に基づく腰痛の原因と治療-59-

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■限られたエビデンスによれば、ステロイドや局所麻酔剤とオピオイドを併用した硬膜外ブロック、あるいはいずれかの単独注射は、神経根症状の伴わない急性腰痛に対する有効性が証明されていない(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■硬膜外ブロック注射は侵襲的的であり、稀に重篤な合併症を引き起こす危険性がある(★★)。椎間関節ブロック注射は侵襲的的ではあるものの、重篤な合併症を引き起こす危険性はきわめて低い(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■椎間関節ブック注射は慢性腰痛の疼痛にも活動障害にも有効でないというエビデンスがあり、注射薬剤の種類だけでなく注射部位も臨床転帰を改善させない。急性腰痛に対する椎間関節ブロック注射の有効性に関するエビデンスはない(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■椎間関節ブック注射は侵襲的的だが重篤な合併症は稀である(★★)。バイオフィードバックの急性腰痛に対する有効性に関するエビデンスはなく、慢性腰痛に対する有効性に関するエビデンスには矛盾がある(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■「スウェーデン式腰痛教室」(修正版)による集団教育は、職業的背景によっては有効な場合がある(★★)。職業的背景を考慮しない腰痛教室の有効性はまだ実証されていない(★)。http://1.usa.gov/LtCyjV http://1.usa.gov/Kk6Bgl

■重症の腰痛に対する麻薬の投与に関しては、さらなる調査と管理による支援が必要で推奨しない(★)。ベンゾジアゼピンには習慣性と依存性という重大なリスクがあるため推奨しない(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■急性腰痛に対する経口また静脈内コルヒチンの有効性を示すエビデンスは限られているか矛盾したエビデンスしか存在せず、重篤な副作用の危険性が報告されている(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■経口ステロイドは急性腰痛に有効ではないという限られたエビデンスがある(★★)。経口ステロイドによる重篤な副作用は長期使用によって生じる危険性があるものの、短期使用によって副作用が生じる危険性はきわめて低い(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■腰痛や坐骨神経痛に対して牽引を用いた安静臥床は無効だというエビデンスがあり、特に安静臥床には関節のこわばり、筋肉の衰弱、骨密度の低下、床ずれ、血栓塞栓症といった合併症を引き起こす危険性がある(★★)。http://1.usa.gov/Jxsprd #kenkou

■全身麻酔下における脊椎マニピュレーションが有効だというエビデンスはなく、重篤な神経障害を誘発するリスクが増大する(★)。http://1.usa.gov/LF3JIJ

 根拠に基づく腰痛の原因と治療-58-

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■脊椎マニピュレーションが奏功する患者の選択基準もなければ、最も有効なマニピュレーションテクニックに関するエビデンスもなく、マニピュレーションを実施する最適なタイミングも明らかになっていない(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■熟練した術者によるマニピュレーションで症状が悪化するリスクはきわめて低いが、稀に重篤な神経障害が生じる危険性があるため、重度または進行性の神経障害のある患者にマニピュレーションは実施すべきでない(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■急性腰痛患者に対して特定の腰痛体操が臨床的に意味のある改善が得られるか否か、さらに各腰痛体操が奏功する患者の選択基準を設定できるか否かについては、これまで確定的なエビデンスは得られていない(★★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■これまで得られているエビデンスの中には体操とリハビリテーションが慢性腰痛患者の疼痛と機能障害を改善することを示すものもある(★★)。発症後6週目から体操とリハビリテーションを開始することの妥当性にはエビデンスがある(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■物理療法(アイシング・温熱療法・短波ジアテルミー・マッサージ・超音波)は一般的に急性腰痛の症状緩和のために用いられるが、これらの受動的な方法は臨床転帰に対して何ら影響を与えないと考えられる(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■牽引は腰痛や神経根症状に対して効果はない(★★★)。TENS(経皮的神経電気刺激:低周波治療器)が急性腰痛患者に有効だというエビデンスはない(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■限定的なエビデンスながら、インソールは軽度の腰痛患者において症状を緩和させる可能性はあるが、長期成績に関するエビデンスはない(★)。2cm未満の下肢長差は腰痛における臨床的意義はない(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■腰部コルセットやサポートベルトが急性腰痛の治療に有効だというエビデンスはない(★)。慢性腰痛に対するトリガーポイント注射の有効性は不明確であり、特に急性腰痛に関するエビデンスはほとんどない(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■靭帯および軟部組織への注射は侵襲的的であり、重篤な合併症を引き起こす危険性がある(★)。鍼治療が慢性腰痛に有効だとするエビデンスは乏しく不明確であり、急性腰痛に対する有効性に関するエビデンスはない(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■ステロイドの硬膜外ブロック注射は局所麻酔剤の有無とは無関係に、他の治療法と比べて坐骨神経痛(神経根症状)を伴う急性腰痛の症状を一時的に緩和する可能性が高いと考えられる(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

 根拠に基づく腰痛の原因と治療-57-

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■パラセタモール(アセトアミノフェン)やNSAID単独で十分な疼痛コントロールができない場合は、パラセタモール+弱オピオイド(麻薬系鎮痛薬)の配合剤が有効かもしれないが便秘と嗜眠傾向がある(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■筋弛緩薬は急性腰痛を効果的に軽減する(★★★)。筋弛緩薬とNSAIDとの比較結果は一貫しておらず、筋弛緩薬とパラセタモール(アセトアミノフェン)との比較試験は行なわれていない(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■強オピオイド(麻薬系鎮痛薬)は、より安全性の高いアセトアミノフェンやアスピリンなどのNSAIDほどの腰痛軽減効果はない(★★)。強オピオイドには、反応時間短縮・判断力低下・嗜眠・身体依存などの副作用がある(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■抗うつ薬は慢性腰痛の治療に広く用いられてきたが、その有効性に関するエビデンスはほとんどなく、急性腰痛に対する抗うつ薬の有効性に関するエビデンスは入手できていない(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■急性または再発性腰下肢痛に対する治療としての安静臥床(2~7日間)は、疼痛緩和・回復速度・ADL(日常生活動作)改善・欠勤日数という点で、プラシーボや通常の活動より効果がない(★★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■長期間にわたる安静臥床は、身体衰弱・長期活動障害・リハビリテーション困難につながる可能性がある(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■必要に応じて鎮痛剤を投与し、安静臥床を守らせて「痛みの程度に応じて」通常の活動に戻るかどうかを決めさせる「従来型」の治療と比較して、通常の活動を維持するよう指導した場合は、急性発作時の症状がより早く回復する(★★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■短期間(数日~数週間)のうちに認知行動療法に基づいて段階的再活動化を実施した場合と、段階的再活動化を単独で実施した場合を比べると、疼痛と活動障害の回復速度に差はないが、慢性的な活動障害の発生率と失業率が低下する(★★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■患者を短期間のうちに通常の仕事に復帰させる計画を立て、その計画に従って短期間に職場復帰するよう患者を指導した場合は、欠勤時間や失業期間が短縮される可能性がある(★)。http://amzn.to/Hk8veA

■急性あるいは亜急性腰痛に対する脊椎マニピュレーションは、他の治療法に比べて短期間で疼痛および活動障害の改善、ならびに患者の満足度という点でより高い効果が得られる(★★★)。http://amzn.to/Hk8veA

 根拠に基づく腰痛の原因と治療-56-

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■「迅速な回復のために良好な予後に関する正確な情報を提供」「軽い運動は有害ではないことを再確認」「日常の活動を維持するような現実的指導」「仕事に復帰するような現実的指導」。http://amzn.to/Hk8veA

■適切な情報とアドバイスによって、患者の不安を軽減し、ケアに対する満足度を向上させることができる(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■重度の腰痛と活動障害は数日~数週間で顕著に改善するが、軽度の症状は長期間持続することがあり、数か月におよぶ場合も少なくない(★★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■大半の患者は時に腰痛が再発する(★★★)。しかし再発は普通に見られる正常なことであり、腰部に再度損傷を受けたり、症状が悪化していることを意味するものではない(★)。http://amzn.to/Hk8veA #kenkou

■患者の約10%は1年後も症状の一部が持続しているが、その大半は通常の活動を何とか維持できる。通常の活動に復帰した患者は、活動を制限している患者より健康になったと感じ、鎮痛剤の使用が減少し、苦痛が少なくなる(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■腰痛のために仕事を休む期間が長くなると、仕事に復帰できる可能性は低くなる(★★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■腰痛は通常加齢に伴って増加することはなく、50~60歳以降はわずかに頻度が低下する。しかし慢性腰痛を有する高齢者は症状がより持続的になり、活動制限が多くなることがある(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■定期的に処方されたパラセタモール(アセトアミノフェン)とパラセタモール+弱オピオイド(麻薬系鎮痛薬)の配合剤は腰痛を効果的に軽減するが、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)との有効性の比較結果は一貫していない(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■定期的に処方されたNSAIDは非特異的腰痛を効果的に軽減する(★★★)。異なるNSAIDは非特異的腰痛の軽減に同様の有効性を示す(★★★)。NSAIDの神経根性疼痛に対する軽減効果は比較的弱い(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■NSAIDは特に高用量や高齢者で重篤な有害事象を誘発する可能性があるが、イブプロフェン(NSAID)投与後にジクロフェナク(ボルタレン)を投与すると消化器系有害事象リスクが最も低下する(★★★)。http://amzn.to/Hk8veA

 根拠に基づく腰痛の原因と治療-55-

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■腰椎の単純X線撮影は、次のレッドフラッグ(危険信号)のいずれかが存在する場合は骨折の除外診断のために推奨される。最近の重大な外傷(全年齢)・最近の軽度外傷(50歳超)・長期ステロイド使用歴・骨粗鬆症・70歳超(C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■次の危険信号のどれかが存在する場合はがんや感染症の除外のために単純X線撮影とFBCやESRを併用する。がんや感染症の病歴・37.8℃超の発熱・薬物注射乱用・長期ステロイド使用・安静臥床で悪化・原因不明の体重減少(C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■特にがんや感染症を疑わせるレッドフラッグ(危険信号)の存在下では、たとえ単純X線所見が陰性でも、骨シンチグラフィー・CT・MRIなど他の画像検査の使用が臨床的に必要な場合がある(C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■病歴・理学検査・臨床検査・単純X線撮影で、がん・感染症・潜在性骨折が疑われる場合は、急性腰痛を評価するために骨シンチグラフィーが推奨される。しかし、妊娠中の骨シンチグラフィーは禁忌である(C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■腰部単純X線撮影の斜位像を常用することは、放射線被曝のリスクが増加するため、成人の急性腰痛患者には推奨されない(B)。http://1.usa.gov/uhlYSO #kenkou

■【心理社会的因子】慢性腰痛における心理社会的因子の影響に関しては、現在数多くのエビデンスがある。最近の前向きコホート研究数件から、心理社会的因子はこれまで考えられていたよりさらに早い段階で重要であることが示された。http://amzn.to/Hk8veA

■心理的・社会的・経済的因子は、慢性腰痛および活動障害において重要な意味を持っている(★★★)。心理社会的因子は、治療とリハビリテーションに対する患者の反応に影響をおよぼす(★★★)。http://amzn.to/Hk8veA http://1.usa.gov/I23gOD

■心理社会的因子はこれまで考えられていたより遥かに早い段階で重要な意味を持ってくる(★★)。http://1.usa.gov/HAlhGU http://1.usa.gov/HwO3ec http://1.usa.gov/IpOLGl http://1.usa.gov/Ir728U

■臨床的特徴の中には、慢性疼痛および活動障害のリスクファクターとなっているものが数多く存在する(★★)。心理社会的因子は、医学的症状および徴候よりも慢性化にとって重要なリスクファクターである(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■医学的管理は患者の臨床経過と転帰に大きな影響をおよぼす(★★)。初期管理には以下のものが挙げられる(★)。「徹底した病歴聴取と簡単な理学検査」「重篤な脊椎病変のレッドフラッグがないことを再確認(ラベリングの回避)」。http://amzn.to/Hk8veA

 根拠に基づく腰痛の原因と治療-54-

いちいち承諾を得る必要はありません。SNSはもちろんブログやサイトに、引用先のURLごとコピー&ペーストして情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。

■非特異的腰痛とは、「発症年齢が20~55歳」「腰仙部・臀部・大腿部の痛み」「メカニカルペイン(動作によって痛みの程度が変化する)」「患者の状態は良好」で、専門医へ紹介する必要はない。http://amzn.to/Hk8veA

■神経根症状とは、「腰痛よりも片側下肢痛が重篤」「足またはつま先へ放散する痛み・しびれ・感覚異常」「SLR(下肢伸展挙上)テストで下肢痛が再現」「局所における神経徴候」で、発症後4週間以内は専門医へ紹介する必要がない。http://amzn.to/Hk8veA

■重篤な脊椎病変の可能性(レッドフラッグ)とは「発症年齢が20歳未満・55歳超」「非メカニカルペイン」「胸部痛」「がんやHIVの既往歴・ステロイド使用歴」「体調不良・体重減少」「広範な神経症状」「変形」で4週以内に専門医への紹介が必要。http://amzn.to/Hk8veA

■重篤な脊椎病変の可能性(レッドフラッグ)には直ちに専門医へ紹介しなければならない馬尾症候群がある。「膀胱直腸障害」「起立不能・歩行不能」「サドル麻痺」があれば緊急手術が必要。http://amzn.to/Hk8veA

■患者の年齢・罹病期間や症状の内容・日常生活と仕事への影響・過去の治療に対する反応は急性腰痛の治療において重要である(★★)。病歴聴取によってレッドフラッグ(危険信号)を確認できる。特に55歳超の患者にとっては重要(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■馬尾症候群の症状と徴候、広範な神経症状、重度または進行性の運動麻痺は、重篤な神経系疾患を示す危険信号である(★)。年齢に関連した重大な外傷歴(若年者の高所からの転落や交通事故、骨粗鬆症や高齢者の転倒など)は骨折の可能性を示唆する(★)http://amzn.to/Hk8veA

■心理的・社会的・経済的問題などの非身体的因子は評価と治療を複雑にする可能性があるため、初期評価の時点で患者の生活における心理的・社会的・経済的問題などを探る必要がある(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■若年成人の坐骨神経痛においては、SLR(下肢伸展挙上)テストを行ない記録する必要がある。脊柱管狭窄のある高齢者においては、SLRテストに異常が見られないことが多い(★★)。http://amzn.to/Hk8veA

■神経障害の検査ではアキレス腱反射と膝蓋腱反射、足関節と母趾の背屈力、感覚に関する愁訴の分布に重点を置く必要がある(★★)。http://1.usa.gov/Ht6ICY http://1.usa.gov/HyhYli http://1.usa.gov/HvJ3Gv

■画像検査についてはエビデンスをA~Dの4段階で評価したAHCPRの『成人の急性腰痛診療ガイドライン』を踏襲している。臨床検査で危険信号が認められない限り、発症後1ヶ月以内の腰痛患者に単純X線撮影は推奨されない(B)。http://1.usa.gov/uhlYSO


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-53-

いちいち承諾を得る必要はありません。SNSはもちろんブログやサイトに、引用先のURLごとコピー&ペーストして情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。

■オーストラリアの疫学研究によると、腰痛発症率は30代が最も高く、全体の有病率は60~65歳まで増加するがその後徐々に減少する。危険因子として低学歴・ストレス・不安・抑うつ・仕事への不満、職場の社会的支援が乏しいなど。http://1.usa.gov/HmNaQO

■腰痛患者のオペラント条件付け介入に関する15件のランダム化比較試験(3737名)の体系的レビューによって、理学療法士によるオペラント条件付け介入は慢性腰痛による長期活動障害に有効であることが判明。http://1.usa.gov/bcTM5B

■腰痛のウォーキングに関する4件の研究を分析した結果、最高ランクの研究では効果が認められなかったものの、低~中ランクの3件の研究では効果が確認された。腰痛に対してウォーキングは有効である可能性を示唆。更なる研究が必要。http://1.usa.gov/Ho9N7w

■非特異的腰痛に対するシャム低出力レーザーかシャム経口薬を用いた12件のランダム化プラセボ対照試験の体系的レビューによって、非特異的腰痛にはシャム低出力レーザーよりもシャム経口薬の方が有効であることが判明した。http://1.usa.gov/IcKTeo

■荷役労働者の腰痛予防と治療に関する9件のRCT(20,101名)と9件のコホート研究(1,280名)をレビューした結果、手作業運搬訓練やアドバイスが腰痛の予防や治療に有効だというエビデンスは存在しないことが判明。http://1.usa.gov/uKcAsk

■RCGP(英国家庭医学会)は1993年以降の急性腰痛に関する論文の体系的レビューを実施し、『成人の急性腰痛診療ガイドライン』(AHCPR:米国医療政策研究局)の改訂版として『急性腰痛の管理のための臨床ガイドライン』を発表。http://amzn.to/Hk8veA

■『成人の急性腰痛診療ガイドライン』ではエビデンスのランクをA・B・C・Dの4つに分類したものの、Aに相当するエビデンスがなかったため、『急性腰痛の管理のための臨床ガイドライン』は次の3つ星システムによって評価されている。http://amzn.to/Hk8veA

■★★★=複数の許容できる科学的研究の大半においてほぼ一貫している事実。★★=1つの許容できる科学的研究による事実、または複数の許容できる科学的研究による限定的な事実。★=許容できる科学的研究の基準を満たさない事実。http://amzn.to/Hk8veA

急性腰痛の治療法に関するエビデンス(科学的根拠)はすべて体系的レビューかRCT(ランダム化比較試験)で判断し、急性腰痛の疫学・評価・自然経過・合併症などに関するエビデンスは前向きコホート研究に由来している。http://amzn.to/Hk8veA

トリアージ(診断用分類)は「非特異的腰痛」「神経根症状」「重篤な脊椎病変の可能性(レッドフラッグ)」の鑑別診断であり、専門医への紹介・検査・管理を決定する根拠となる(★)。トリアージは病歴聴取と理学検査で行なわれる(★)。http://amzn.to/Hk8veA


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-52-

■WHO欧州地域事務局は明確な根拠のある事実から『健康の社会的決定要因』として「社会格差」「ストレス」「幼少期」「社会的排除」「労働」「失業」「社会的支援」「薬物依存」「食品」「交通」を挙げて健康政策の重要性を強調している。http://bit.ly/fiYwI9

■1958年の英国出生前向きコホート研究のデータから社会経済的状況と成人期の筋骨格系疾患の関連を調査した結果、社会経済的地位が低いと腰痛・肩痛・腕痛・膝痛だけでなく全身の筋骨格系疼痛の発症率が高くなる傾向にあることが判明。http://bit.ly/t6KS0C

■自動車事故後に慢性疼痛を訴える335名を対象にした多施設共同研究によると、患者の48%が腰痛の既往歴を、42%が頚部痛の既往歴を、76%が共存症の既往歴を申告しなかったことから、事故直後の病歴聴取の妥当性は低いと判明。http://1.usa.gov/uq3kw9

■自動車事故後に慢性疼痛を訴える335名を「他人の過失と認識」群と「他人に過失なし」群に分けて医療記録を比較した結果、前者の自己申告は腰痛や頚部痛の既往歴とは2倍超、心理的問題の既往歴とは7倍超の不一致が確認された。http://1.usa.gov/uq3kw9

■人員削減対策で事業規模を縮小した企業で働く労働者は、仕事量の増加・ストレスの増大・健康状態の悪化・腰痛や筋骨格系疾患の増加・早期死亡リスクの増加といった問題に直面する。http://1.usa.gov/sKSMLp http://1.usa.gov/ujAuSk

■40歳以上の地域住民3,580名を対象にスタチン服用歴と腰部・頚部/上背部・上肢・下肢の疼痛との関連を調査した結果、スタチン服用群の22%が1ヶ所以上の疼痛があったのに対し、非服用群の疼痛は16.7%だったことが判明。http://1.usa.gov/rI7lMd

■スタチンによる副作用が発現した患者650名を対象にした研究によると、関連性を疑ったのは医師ではなく患者だった。筋肉痛では患者86%vs医師14%、神経障害では患者96%vs医師4%、認知障害では患者98%vs医師2%。http://1.usa.gov/tcks8e

■メディアはもっともらしい腰痛予防法を伝えているが、腰痛の原因が解明されなければ有効な予防法を確定することはできない。現時点で大きな障害となっているのは、一般的な非特異的腰痛と特異的腰痛に関する診断基準がないことである。http://1.usa.gov/vsh9up

■1985年~1997年に発表された座業と腰痛に関する論文の体系的レビューによると、座業が腰痛のリスクファクターであるというエビデンスは見出せなかった。座りっぱなしの仕事が腰痛と関連するという世論の裏付けは存在しない。http://1.usa.gov/shb6dx

■慢性の非特異的腰痛に対する心理社会的介入の有効性に関する体系的レビューによると、従来の標準的な治療よりも、積極的なリハビリテーション(認知行動療法に基づく運動療法)の方が活動制限と疼痛の改善に効果的であることが判明。 http://1.usa.gov/In9glE


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-51-

■職場における腰痛予防に関する31件の比較試験を分析した体系的レビューによると、運動は腰痛による欠勤、医療費、発症率を減少させ、従業員の腰痛予防に有効であることが判明すると同時に、集学的介入には疼痛軽減効果が確認された。http://1.usa.gov/savytC

■荷役作業従事者の腰痛予防をテーマにしたランダム化比較試験とコホート研究を分析した体系的レビューによると、重量物の持ち上げ方に関するアドバイスやサポートベルトに腰痛予防効果はなく腰痛による活動障害も欠勤も減少せずと結論。http://1.usa.gov/sDGpce

■腰痛予防に関する体系的レビューの結果、柔軟体操、ウイリアム体操、マッケンジー法などの運動療法には筋力・持久力・柔軟性向上以上の利点があり、動作や活動に対する自信、損傷に対する恐怖心、疼痛の捉え方を変化させる可能性あり。http://1.usa.gov/vi52lt

■椎間板変性疾患というレッテルは科学的根拠のある診断名ではない。椎間板に異常があってもほとんどの患者は手術をしなくても回復するため、手術は優先順位の低い選択肢と考えて保存療法で症状が改善しないごく一部の患者に限定すべき。http://1.usa.gov/sJxrHg

■一般住民3,529名を対象にマルチスライスCTで腰部の椎間関節症(OA)と腰痛との関連を調査した結果、椎間関節症の検出率は年齢とともに上昇したものの、いずれの椎間レベルにおいても腰痛との間に関連は見出せなかった。http://1.usa.gov/ucUd13

■慢性筋骨格系疼痛・うつ病・不安障害の間には強い関連がある。精神疾患の併存は過去3ヶ月の活動障害日数と関連し、疼痛のみでは18.1日、疼痛+不安障害は32.2日、疼痛+うつ病は38日、疼痛+うつ病+不安障害は42.6日。http://1.usa.gov/vndBSW

■慢性筋骨格系疼痛にうつ病と不安障害が併存する患者は疼痛の重症度が最も高い。一部の医師は疼痛の治療によってうつ病や不安障害も改善すると信じているが、もし医師が疼痛の治療だけに集中すれば誤診と過少治療に繋がる可能性がある。http://1.usa.gov/vndBSW

■WHOの心理的問題に関するデータを用いて14ヶ国の患者25,916名を分析した結果、プライマリケアを訪れるうつ病患者の約70%は身体症状を主訴として受診しており、最も一般的な症状は疼痛に関連するものであることが判明。http://1.usa.gov/vztifY

■農業従事者1,221名と非従事者1,130名を対象にした前向きコホート研究では、腰への負担が大きいほど腰痛発症率が低下。腰痛の原因は「摩耗・損傷モデル」では説明不可能。腰の健康を保ちたいなら肉体労働を恐れてはならない。http://1.usa.gov/uk4Nk9

■欧州リウマチ学会の特別委員会が行なった筋骨格系疾患と心理社会的因子に関する文献調査によると、多くの研究において心理社会的因子は力学的因子より筋骨格系の疼痛発症とその後の経過に大きな影響を与える強力な予測因子であることが判明。http://bit.ly/rOaNa8


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-50-

■大手民間保険会社の2000年~2004年までのデータを分析した結果、MRIとCTの実施率は50%以上増加し、PETは400%も増加していたことが判明。費用のかかる高度な画像検査は診療ガイドラインに基づいて行なうべき。http://1.usa.gov/tT81mY

■メディケア受給者を調査した結果、11年間で腰痛患者(132%増)の医療費は387%増加し、2年間でブロック注射の費用は59%、MRIとCTの費用は42%増加。レッドフラッグのない61%がMRIを受けていた。http://1.usa.gov/tWSnmN

■306ヶ所の医療機関からメディケア受給者をランダムに抽出して分析した結果、CTとMRIの実施率は地域によって異なっており、画像検査実施率が最も高い地域は手術実施率も最も高いことが判明。画像検査の妥当性には疑問がある。http://1.usa.gov/u160QN

■画像検査実施率の上昇は、7年間で硬膜外(腰部・仙骨)ブロックの医療費が629%増加したこと、および10年間で椎間関節ブックの医療費が543%増加したことと明らかに関連。http://1.usa.gov/sESMNX http://1.usa.gov/sB7pOe

■腰痛疾患に対するオピオイド(麻薬系鎮痛剤)投与は増加傾向にあるが、オピオイドに関連する死亡者数は5年間で160%増加し、ヘロインとコカインによる総死亡者数を上回っている。http://1.usa.gov/tWT5d4 http://1.usa.gov/ahierm

■この10年で慢性腰痛の画像検査と治療の実施率が急上昇。硬膜外ブロックが629%、オピオイド投与が423%、MRIが307%、脊椎固定術が220%増加したものの治療成績に改善は認められない。不適切な過剰診療は控えるべき。http://1.usa.gov/uvRl1n

■腰痛の予防法に関する20件のランダム化比較試験を分析した結果、腰痛ベルト・靴の中敷き・人間工学的介入・重量物挙上軽減教育に効果はなく、運動療法のみが腰痛とそれによる欠勤を予防できるという強力かつ一貫性のある証拠を発見。http://1.usa.gov/vi52lt

■1966年~1993年の間に発表された腰痛予防に関する64件のランダム化比較試験(RCT)を分析した体系的レビューによると、運動に予防効果はあるものの、正しい物の持ち上げ方の教育・コルセット・禁煙・減量は無効であることが判明。http://1.usa.gov/rUhxaG

■職場における腰痛の予防をテーマにしたランダム化比較試験(RCT)を分析した体系的レビューによると、職場での運動は腰痛の予防に効果的だったが、コルセット(サポートベルト)や生体力学に基づく教育的介入は腰痛を予防できないことが判明。http://1.usa.gov/sJTnPJ

■頚部痛と腰痛の予防をテーマにした27件の比較試験を分析した体系的レビューによると、教育的介入(腰痛教室)、コルセット、人間工学的介入、危険因子の修正に予防効果は確認できなかったものの、運動だけがその有効性を証明できた。http://1.usa.gov/sQ19b6


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-49-

■腰痛患者421名を対象に腰部X線撮影群と非撮影群を9ヶ月間追跡したRCTによると、両群間の治療成績に差は認められなかったものの、X線撮影群は治療への満足度が高かった。医師はX線撮影に頼らず満足度の向上を目指すべき。http://1.usa.gov/uLyME9

■腰痛患者659名をX線撮影群と非撮影群に割り付けて1年間追跡したランダム化比較試験の結果、両群間の身体機能・疼痛・活動障害の改善率に差は認められなかった。ガイドラインは腰痛患者の腰部X線撮影を避けるよう勧告している。http://1.usa.gov/rrG6so

■腰下肢痛患者246名を対象にMRI所見と保存療法の治療成績について2年間追跡した結果、椎間板ヘルニアは腰痛患者の57%、下肢痛患者の65%に検出されたものの、治療成績とヘルニアのタイプ、大きさ、活動障害は無関係だった。http://1.usa.gov/tZmk9p

■米国ではCTやMRIによる画像検査は5年間で43%増加し、PETスキャンに至っては4年間で3倍に増加。民間の大手保険会社はこうした医療費の高騰を抑えるために放射線ベネフィットマネージャーを使って医療調査を開始した。http://on.wsj.com/uhkJdN

■NCRP(米国放射線防護審議会)によると、2006年に米国民が被曝した放射線量は1980年代初頭の7倍に達した。主な原因はCTや核医学検査の増加によるもので、これらの画像検査による放射線被曝は医療被曝全体の75%を占める。http://bit.ly/tyisnE

■医療行為の中で必要のない画像検査が行なわれているのは事実。CTによる放射線被曝だけでも米国で発症するがんの2%の原因になっている。リスクとベネフィットを考えると不適切なCTやX線撮影を制限することで生命を救える可能性がある。http://bit.ly/hyDov1

■日本の原爆被爆者データベースから先進15ヶ国の画像検査による放射線被曝量と発がんリスクを推計した結果、検査回数も発がんリスクも日本が世界一であることが判明。全がん患者の4.4%(約1万人)が画像検査に起因している可能性あり。http://1.usa.gov/blSDtG

■1回の全身CTによる放射線被曝量は、広島・長崎の爆心地から3.2キロの地点で被爆した生存者とほぼ同じで、がんによる死亡リスクが増加するのは明らか。CTの保有台数は日本が世界一でアメリカの7倍、イギリスの16倍にも達している。http://bit.ly/hyDov1

レッドフラッグのない腰痛患者に対するルーチンな早期画像検査にメリットのないことは明らかだが、それを一人の患者に説明するのに30~45分かかるために診療スケジュールが大混乱する。時は金なりが過剰な画像検査の最大の理由。http://1.usa.gov/rpcVg2

■ガイドラインの勧告を無視した根拠のない不適切な診断と治療が急増している。慢性腰痛に対してメディケアが支出した医療費は、硬膜外ブロックが629%増、オピオイド投与が423%増、MRIが307%増、脊椎固定術が220%増。http://1.usa.gov/uvRl1n


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-48-

■疼痛を5番目のバイタルサインとして数値化することでいくつかの問題点が浮上している。このプログラムを導入したことによって術後患者に対する鎮痛薬の過剰投与が生じ、疼痛は完全に除去すべきという方向へ振り子が大きく振れた。http://1.usa.gov/mUGmFr

■疼痛を5番目のバイタルサインとして日常的に数値化する方法をがんセンターで採用した結果、患者の満足度は向上したものの、オピオイドによる副作用が2倍以上に増加した。疼痛を最重要視するのは患者の生命を危険にさらすことになる。http://1.usa.gov/rpRyjj

■疼痛を5番目のバイタルサインとして疼痛スケールで評価すると、薬の過剰投与に気づかないばかりか投与不足を過度に強調してしまう。このバランスの悪さが鎮静剤と麻薬のさらなる過剰投与を招き、患者の死亡や活動障害の原因となる。http://1.usa.gov/nRF75X

■小児期に体験した不幸な出来事(交通事故による入院・親の死亡・両親の離婚・親のアルコール依存・貧困家庭)が壮年期における広範囲な慢性疼痛の予測因子であることが判明。トラウマとなるような体験は慢性疼痛の発症と重症度に関連。http://1.usa.gov/nePOkk

■小児期に虐待(身体的・精神的・性的)やネグレクト(育児放棄)を経験した者は、それらを経験していない者より成人してから慢性疼痛を訴える傾向があることがメタ分析によって明らかとなる。虐待は慢性疼痛のリスクファクターである。http://1.usa.gov/nqfkEH

■過去の不幸な出来事は明らかに慢性腰痛の危険因子ではあるが、両者間にU字曲線が見られたことから軽度の逆境体験は保護的に働く可能性が浮上。軽度の逆境体験者は慢性腰痛による疼痛障害が小さく医療の利用率も低いことが判明。http://1.usa.gov/ol0hCX

■腰下肢痛患者に対する早期画像検査(X線・CT・MRI)の有効性に関するRCTを詳細に分析した結果、レッドフラッグのない患者に画像検査を行なっても臨床転帰は改善しないことが判明。医師は腰下肢痛患者の画像検査を控えるべき。http://1.usa.gov/rpcVg2

■腰痛患者101例を早期X線撮影群と教育的介入群に割り付けたRCTの結果、両群間の重篤疾患・改善率・機能障害・満足度に差は認められなかったことから、患者の不安・不満・機能障害を招かずにX線撮影をやめて医療費の削減は可能。http://1.usa.gov/qlCXOP

■腰痛患者782名を対象としたMRIかCTを早期に使用した場合の臨床転帰と費用対効果に関するRCTでは、早期画像検査による臨床転帰の改善は認められず費用対効果が低いことが判明。X線撮影だけでなくMRIやCTも役立たない。http://1.usa.gov/s0OkVE

■腰痛患者380名をX線撮影群とMRI群に割り付けて臨床転帰を比較したランダム化比較試験によると、両群間の活動障害・改善率・再発頻度などに差は認められなかった。医師も患者もMRIを好むが手術件数が増えて医療費が高騰する。http://1.usa.gov/sxB3et


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-47-

■50~94歳の1407名を対象に骨密度とX線撮影で脊柱後湾(亀背)を調査した結果、椎体骨折のある方が後湾は強かったが多くの後湾に骨折は認められなかった。高度後湾の場合でも椎体骨折や骨粗鬆症は確認できなかった。原因不明。http://1.usa.gov/rqzVF3

■脊柱の高度後湾(亀背)は高齢者の20~40%に見られると推計されるが、診断基準もなければ原因も転帰も明らかでない。一部の医師は骨粗鬆症による椎体骨折が原因と考えているものの、その多くは椎体骨折が認められない。原因不明。http://1.usa.gov/qg78r6

■脊柱の高度後湾は高齢者の不健康と関連がある。したがって高度後湾を老年期症候群、すなわち人体の複数のシステムが障害され、その影響が蓄積されて環境の変化への対応が難しくなると発症する、多因子性の病態と認識すべきである。http://1.usa.gov/oJiu2h

■脊椎固定術を受けた労災患者と保存療法を受けた患者を比較した後ろ向きコホート研究によると、椎間板変性、椎間板ヘルニア、神経根障害と診断された労災患者の固定術は、活動障害、オピオイドの使用、長期欠勤、復職困難を増加させる。http://1.usa.gov/dukXZa

■脊椎固定術を受けた783名の中から労災患者60名の転帰を調べた結果、2年後の改善率は活動障害が19%、健康状態が16%でしかなく、疼痛スコアもかなり高かったことから、労災患者に対する脊椎固定術は危険な賭けでしかない。http://1.usa.gov/rfDCbl

■脊椎固定術を受けた労災患者1950名を対象とした後ろ向きコホート研究によると、術後2年後の活動障害は63.9%、再手術率は22%、合併症は11.8%に認められた。長期活動障害の予測因子は心理社会的因子であることが判明。http://1.usa.gov/puf71g

■脊椎固定術を受けた労災患者185名を対象とした後ろ向きコホート研究によると、41%がQOLに変化がないか悪化した。再手術率は24%、長期活動障害率は25%、癒合率は74%。転帰不良の予測因子は心理・社会・経済的因子。http://1.usa.gov/o59zzE

■画像検査、ブロック注射、オピオイド投与、手術実施率が上昇しているにも関わらず、脊椎疾患は雪ダルマ式に膨れ上がっている。ことに慢性腰痛の発症率が上昇しているのは深刻な問題。http://1.usa.gov/q4khKD http://1.usa.gov/px009V

■2001年以降、疼痛を脈拍・体温・呼吸数・血圧に次ぐ5番目のバイタルサインとして日常的に評価しようとする動きがある。しかし、腰痛疾患を対象とした場合は、医療の対象化・過剰検査・過剰治療という悪影響を生じる可能性が高い。http://1.usa.gov/rpSmeO

■退役軍人医療センターで疼痛評価を導入する前後の臨床転帰を比較した結果、疼痛を5番目のバイタルサインとして日常的に評価しても疼痛治療の質は向上しなかった。疼痛評価が臨床転帰に影響を与えるというエビデンスはほとんどない。http://1.usa.gov/pYo6OL


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-46-

■(4)キャンペーン群の医療費は20%減少した。すなわち、正しい情報提供だけで33億円を超える経費(労災補償費と医療費)を削減できたのである。日本でできないはずがない。http://1.usa.gov/mQ628O http://1.usa.gov/qTkwry

■椎間板ヘルニアに対する手術に関する論文81件を厳密に検討した結果、椎間板ヘルニアの手術成績は短期的に見れば良好だが長期的に見れば保存療法とほとんど変わりがなく、心理社会的因子の影響を強く受けていることが確認された。http://1.usa.gov/q1HPOA

■腰下肢痛を訴える椎間板ヘルニア患者84名を対象に、画像所見、理学所見、心理テスト(MMPI)と手術成績との関係を調べた結果、手術成績と最も関係が深かったのは、画像所見でも理学所見でもなく心理テストだったことが判明。http://1.usa.gov/qMXXcm

■腰部椎間板切除術を受けた患者45名の治療成績に影響を与える因子を分析した結果、職場復帰状況は画像所見や臨床症状とは無関係で、心理的因子(抑うつ)と職業上の心理社会的因子(職場での心理的ストレス)の影響が強いことを確認。http://1.usa.gov/osP4XY

■椎間板ヘルニアと診断された腰下肢痛患者46名と健常者46名をMRIで比較した結果、症状の有無は職業上の問題(心理的ストレス・集中力・満足度・失業)と心理社会的問題(不安・抑うつ・欲求不満・夫婦関係)の影響が大きい。http://1.usa.gov/q8PXfR

■腰痛のない大学生25名を対象に腰への負担に対する心理テストと性格特性の影響力を調べた結果、心理的ストレスは単独で腰痛の原因になり得るだけでなく、内向型と直感型の性格特性は心理的ストレスによって腰痛発症リスクが増大する。http://1.usa.gov/pD9Tsn

■イギリスの腰痛診療ガイドラインは心理社会的因子について次の4つの事実を指摘している。(1)心理社会的因子は治療とリハビリテーションの成績に影響を与える。(2)心理社会的因子は自覚症状や他覚所見よりも慢性化の危険因子である。http://bit.ly/nfz2B2

■(3)心理社会的因子は慢性腰痛や活動障害において重要な意味を持つ。(4)心理社会的因子はこれまで考えられていたよりもはるかに早い段階で重要な意味を持つ。ゆえに、患者の心理的・職業的・社会経済的因子に目を向ける必要がある。http://bit.ly/nfz2B2

■椎間板ヘルニアと診断された下肢痛患者328名をチュブラーレトラクター椎間板摘出術群(新開発の低侵襲手術)と標準的顕微鏡下椎間板摘出群に割り付けたRCTによると、疼痛改善率はチュブラー手術群より顕微鏡手術群の方が優れていた。http://bit.ly/roIaXm

■また1年後の回復状況を良と評価した患者はチュブラー手術群が69%で顕微鏡手術群が79%、合併症はチュブラー手術群の方が多く、再発や再手術は顕微鏡手術群の方が多かった。新開発の手術法が優れているとはいえない。術式の動画⇒http://bit.ly/oePnPC


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-45-

■脊椎固定術に関する論文47件を厳密に検討した結果、優または良と評価できたのは平均68%だったが、論文によっては15%~95%の開きがあり、研究デザインにも不備があるため脊椎固定術の有効性を示す証拠は見つけられなかった。http://1.usa.gov/pdP0Eg

■脊柱管狭窄症と診断された腰下肢痛患者88名を対象に減圧椎弓切除術の成績を6年間追跡した結果、1年後の改善率は89%だったが6年後には57%に低下し17%は再手術を受けていたことから、これまで報告されていた成績より悪い。http://1.usa.gov/qEMqae

■脊柱管狭窄症への減圧椎弓切除術に関する論文74件を厳密に検討した結果、優または良と評価できたのは平均64%だったが、論文によっては26%~100%もの開きがあり、研究デザインにも不備が多いためその有効性は証明できない。http://1.usa.gov/qO1nB3

■腰痛患者520名を対象に診療ガイドラインに従った治療群と従来の治療群の治癒率、再発率、満足度、医療費を1年間追跡して比較した研究によると、従来の治療群よりガイドライン群の方がすべての面でかなり優れていることが判明。http://1.usa.gov/reNbPT

■ありふれた症状を訴える患者200名をプラス思考で接した治療群と無治療群、マイナス思考で接した治療群と無治療群に割りつけたRCTによると、2週間後の改善率は治療の有無に関わらずプラス思考で接した群の方がはるかに高かった。http://1.usa.gov/qJyVdX

■患者に不安や恐怖を与えると間違いなく痛みが増幅する。このノーシーボ効果は想像以上に強力で、ヴードゥー死、タブー死、ノスタルジー死で証明されているように命に関わることさえある。http://1.usa.gov/nCm2wd http://amzn.to/pXA5WR

■腰痛で長期欠勤している患者975名を3年間追跡したRCTによると、200日後の復職率は教育プログラム(従来の常識はすべて忘れて怖がるなという指導)群が70%だったのに対して、標準的治療群はわずか40%でしかなかった。http://1.usa.gov/mUEwJH

■腰痛患者161名を時代遅れの小冊子群と新たな腰痛概念に基づく小冊子群に割り付けて1年間追跡したRCTによると、新たな小冊子群は動作恐怖が低下すると共に回復が早いことが判明。従来の考え方を改めるのは有効な治療法である。http://1.usa.gov/mP29eM

■オーストラリアのビクトリア州で「腰痛に屈するな」という大規模なメディアキャンペーンを実施し、近隣のニューサウスウェールズ州と比較した結果、次の4点が明らかとなった。http://1.usa.gov/mQ628O http://1.usa.gov/qTkwry

■(1)キャンペーン群では腰痛患者の動作恐怖スコアが改善した。(2)キャンペーン群では腰痛による欠勤日数が減少した。(3)キャンペーン群の労災申請件数は15%減少した。http://1.usa.gov/mQ628O http://1.usa.gov/qTkwry


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-44-

■坐骨神経痛を訴える椎間板ヘルニア患者126名を対象に、保存療法群とラブ法群の治療成績を10年間追跡したRCTによると、1年目まではラブ法群が優れていたが4年目以降は両群間に差はなくなっていた。長期成績は両群とも同じ。http://1.usa.gov/pbjVPJ

■椎間板ヘルニアに対する手術に関する論文81件を分析した結果次の6点が判明した。(1)椎間板ヘルニアが確認された2ヶ月間の保存療法に反応しない坐骨神経痛患者はそのまま保存療法を続けるよりラブ法を実施した方が早く改善する。http://1.usa.gov/q1HPOA

■(2)4年~10年の長期成績という観点から見るとラブ法と保存療法の効果に差は認められない。(3)顕微鏡下髄核摘出術と経皮的髄核摘出術が腰痛に効果があるという証拠はない。(4)経皮的髄核摘出術はラブ法より再手術率が高い。http://1.usa.gov/q1HPOA

■(5)椎間板摘出術は比較的安全な治療法とされているが、これまで考えられていた以上に再手術を必要とする例が多い。(6)椎間板ヘルニアに対する手術成績は、心理社会的因子の影響を強く受けている。http://1.usa.gov/q1HPOA

■椎間板摘出術が予定されていた腰下肢痛患者84名の治療成績を、神経学的所見、SLR、画像所見、心理テストの4項目で比較した結果、治療成績と最も関係が深かったのは、理学所見や画像所見ではなく心理テストだったことが判明。http://1.usa.gov/qMXXcm

■椎間板摘出術を受けた患者46名を2年間にわたって追跡調査した結果、職場復帰には心理的因子(抑うつ状態)と職業上の心理社会的因子(職場での精神的ストレス)が深く関与していて、画像所見や臨床症状は無関係であることが判明。http://1.usa.gov/osP4XY

■腰下肢痛を訴える椎間板ヘルニア患者69名を対象に、椎弓切除術群と椎弓切除術+固定術群の術後成績を3年間追跡したRCTによると、優または良と評価できた割合は椎弓切除術群が71%で椎弓切除術+固定術群が53%だった。http://1.usa.gov/pNHEa3

■脊柱管狭窄を伴う変性辷り症患者76名を対象に、器具固定群と骨移植固定群の術後成績を2年間追跡したRCTによると、器具固定によって骨癒合率の向上は認められるものの、それが必ずしも臨床症状の改善に結びつかないことが判明。http://1.usa.gov/nfQM86

■慢性腰痛を訴える変性辷り症患者130名を対象に、器具固定群と骨移植固定群の術後成績を2年間追跡したRCTによると、骨癒合率と満足度に差はないが器具固定群は手術時間、出血量、再手術率を増大させ、深刻な神経損傷を招く危険性大。http://1.usa.gov/rd6vMx

■分離辷り症患者44名を対象に、PLF(腰椎後側方固定術)群とPLIF(後方侵入腰椎椎体間固定術)群の術後成績を2年間追跡したRCTによると、複雑で大がかりなPLIFよりも比較的単純なPLFの方が成績は良いことが判明。http://1.usa.gov/oW84Rp


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-43-

■椎間板ヘルニアか脊柱管狭窄症と診断された腰下肢痛患者73名を対象とした硬膜外ブックに関するRCTによると、ステロイド剤+局所麻酔剤群と生理食塩水+局所麻酔剤群の間に改善率の差は認められなかった。ステロイド注射は無効?http://1.usa.gov/qAFypS

■腰下肢痛患者に対する硬膜外ステロイド注射に関する12件のRCTをレビューした結果、硬膜外ステロイド注射の効果は明確ではないものの、神経根症状を伴う急性腰下肢痛に限っていえば一時的な効果は望める可能性がある。http://1.usa.gov/okMOHg

■筋筋膜性疼痛症候群患者53名に対するトリガーポイント注射に関するRCTによると、局所麻酔剤群とプラシーボ(生理食塩水)群の疼痛改善率に差が認められなかったことから、効果が同じなら副作用のない生理食塩水を使うべきと結論。http://1.usa.gov/qPLsdU

■腰痛患者63名を4群に割り付けてトリガーポイント注射の有効性を調べたRCTによると、疼痛改善率は鍼治療群や冷却スプレー+虚血圧迫群より、トリガーポイント注射(局所麻酔剤・局所麻酔剤+ステロイド)群の方が低いことが判明。http://1.usa.gov/nTBSuI

■慢性腰痛患者97名を対象に椎間関節ブロックの有効性を6ヶ月間追跡したRCTによると、プラシーボ(生理食塩水)群とステロイド群の改善率に差は認められなかった。慢性腰痛に対する椎間関節ブロックに効果はないことが判明。http://1.usa.gov/qTsRmP

■慢性腰痛患者109名を対象に椎間関節ブロックの有効性を3ヶ月間追跡したRCTによると、椎間関節ブロック群、椎間関節周囲ブロック群、プラシーボ(生理食塩水)群の改善率に差は認められないことから心理社会的因子が影響と結論。http://1.usa.gov/pFTonQ

■椎間関節症候群への注射療法に関する論文を厳密に分析した結果、椎間関節内へのプラシーボ(生理食塩水)注射は、ステロイド剤や局所麻酔剤と同等の改善効果があることから、椎間関節症候群という病名自体が神話の可能性がある。http://1.usa.gov/nVAtNd

■坐骨神経痛を訴える椎間板ヘルニア患者60名を対象に、ラブ法群と顕微鏡下髄核摘出術群の術後成績を1年間追跡したRCTによると、術中の出血量、合併症、入院日数、欠勤日数、改善率など、いずれも両群の間に差は認められない。http://1.usa.gov/p43qmF

■腰下肢痛を訴える椎間板ヘルニア患者52名を対象に、ラブ法群とキモパパイン注入群の術後成績を1年間追跡したRCTによると、ラブ法群は85%でキモパパイン群は46%の改善率だった。腰痛の改善率も特にラブ法群が優れていた。http://1.usa.gov/ofd8E8

■坐骨神経痛を訴える椎間板ヘルニア患者141名を対象に、キモパパイン注入群と経皮的髄核摘出術群の術後成績を1年間追跡したRCTによると、6ヶ月後と1年後のどの時点においても改善率はキモパパイン注入群の方が優れていた。http://1.usa.gov/n4KLZQ


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-42-

■慢性腰痛患者66名を対象に、筋電図バイオフィードバック群、シャム(見せかけのバイオフィードバック)群、無治療群に割り付けて効果を実験直後と3ヵ月後に比較した結果、どの時点においても3群間に差は認められなかった。http://1.usa.gov/qGMSer

■筋骨格系疾患に対する超音波療法に関する123件の論文を吟味した結果、超音波療法が有効だという科学的証拠は確認できなかったことから、超音波療法をはじめとする受け身的な物理療法は、臨床的に何ら影響をおよぼさないと結論。http://t.co/GDqcE8J

■慢性疼痛に対する鍼治療の有効性に関する51件のRCTを吟味した結果、鍼治療の効果はきわめて疑わしいと結論。鍼治療の有効性を主張するにはさらなる臨床試験が必要。いずれにしろ物理療法の有効性は科学的に証明されていない。http://t.co/rN78mjH

■立ち仕事をしている女性の腰痛患者96名を対象に行なったクロスオーバー試験によると、インソールの使用によって腰痛が緩和したのは44%で、3%は悪化し、51%は変化がなかった。インソールは立ち仕事での腰痛を緩和する可能性(44%だけど)。http://t.co/HrLIQ95

■腰痛患者144名と健常者138名を対象に骨盤の歪みを厳密に測定して腰痛との関連を調べた結果、どのような臨床的意義においても骨盤の非対称性と腰痛は関連していないことが判明。骨盤の歪みが腰痛の原因というのは迷信に過ぎない。http://t.co/iEvQzim

■18~40歳までの急性腰痛患者を対象に4週間追跡したRCTによると、モビリゼーション群とマニピュレーション群の改善率は4週間後には差がなくなるものの、マニピュレーション群は最初の1週間で急速に改善することが判明。http://t.co/xSdw3w4

■腰痛に対する脊椎マニピュレーションに関する論文58件をメタ分析した結果、3週間以内に腰痛が回復する確率は50~67%だった。慢性腰痛に対する効果は不明としながらも、急性の非特異的腰痛には一時的な効果があることが判明。http://t.co/R9DMmIJ

■腰痛に対する脊椎マニピュレーションに関する37件のRCTを吟味した体系的レビューでは、研究デザインに不備があるために正確な評価は困難で、腰痛に対する有効性は科学的に証明できないが、たしかにある患者には効果が認められる。http://t.co/CwMdT89

■1911年~1991年に発表された脊椎マニピュレーション後に馬尾症候群が生じた29例を詳細に分析した結果、重度あるいは進行性の神経障害にマニピュレーションは行なうべきでないが、症状が悪化する可能性はきわめて低い。http://1.usa.gov/qsCsK1

■腰下肢痛患者を対象に脊椎マニピュレーション群、骨盤牽引群、スクレロサント(組織硬化剤)注射群、ステロイド注射群に割り付けたRCTによると、1ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後のどの時点でも4群間の改善率に差は認められない。http://1.usa.gov/qjUTqL


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-41-

■急性腰痛患者186名を対象に2日間の安静臥床群、ストレッチ群、日常生活群に割り付けたRCTによると、ストレッチ群は安静臥床群より欠勤日数が少ないものの日常生活群には及ばないことが判明。急性腰痛の特効薬は日常生活の維持。http://1.usa.gov/mOolz9

■健常者402名を腹筋強化運動+教育プログラム群と教育プログラム群の2群に割り付けて2年間追跡したRCTによると、両群間の腰痛発症率には差が認められなかったことから、腹筋強化運動は腰痛を予防できないことが判明。http://1.usa.gov/p3JqOY

■航空機製造会社に勤務する3020名を対象とした4年以上にわたる前向きコホート研究では、腰の柔軟性を測定することで過去の腰痛歴や将来の腰痛発症率は予測できないことが判明。腰痛疾患に対するストレッチの有効性に疑問あり。http://1.usa.gov/nrEjPB

■ストレッチ運動と筋肉痛やスポーツ外傷に関する7件のRCTを吟味した体系的レビューの結果、運動前後のストレッチ運動では筋肉痛を予防できないし、スポーツの前にストレッチ運動を行なってもスポーツ外傷は予防できないことが判明。http://1.usa.gov/qG7uVT

■腰痛に対する運動療法をテーマとした11件のRCTをレビューした結果、急性腰痛(6週未満)に有効な運動療法は存在しないものの、亜急性腰痛(6週~3ヶ月未満)や慢性腰痛(3ヶ月以上)には運動療法が有効であることが判明。http://1.usa.gov/qL98sH

■腰痛患者109名をオステオパシー(脊椎療法)群、ジアテルミー群、シャム(見せかけのジアテルミー)群に割り付けたRCTによると、3群間に改善率の差は認められなかったことから、オステオパシーもジアテルミーもプラシーボ効果?http://1.usa.gov/qPRztD

■慢性腰痛患者20名を低出力レーザー照射群とシャム(見せかけの照射)群に割り付けた上で運動療法を加えた二重盲検ランダム化比較試験によれば、両群間に改善率の差は認められなかった。慢性腰痛に低出力レーザーは効果がない。http://1.usa.gov/ol2sT0

■慢性腰痛患者145名を対象に、TENS(低周波治療)群、シャム(見せかけのTENS)群、ストレッチ+TSNS群、ストレッチ+シャム群に割り付けて2ヶ月間追跡したRCTによると、4群間の疼痛改善率に差は認められなかった。http://1.usa.gov/oyq5KL

■慢性腰痛患者148名を対象に、30分間の理学療法群、1時間のマシンエクササイズ群、1時間の軽いエアロビクス群の3群に割り付けて6ヶ月間追跡したRCTによると、3群間の治療成績に差は認められなかった。http://1.usa.gov/pIbRGU

■腰痛と頚部痛患者256名を対象に、標準的治療群、脊椎療法群、理学療法群、シャム群に割り付けて1年間追跡したRCTでは、標準的治療群とシャム群が最も成績が悪く、脊椎療法群は理学療法群よりわずかに優れていた。http://1.usa.gov/kfFvV6


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-40-

■1966年~1996年に発表された急性腰痛患者に対するアドバイスに関する論文をレビューした結果、安静臥床は効果がないばかりか回復を遅らせるが、日常生活を続けると職場復帰が早く、慢性化を防ぎ、再発率も低下することが判明。http://1.usa.gov/iKlS4V

■安静臥床に関する39件のRCTをレビューした結果、安静臥床によって改善が認められた研究はひとつも存在しない。激痛のために動けない場合は別として、急性腰痛患者が安静に寝ているのは有害で危険な行為。即刻やめさせるべき。http://1.usa.gov/in85AR

■6週間以上持続する腰痛患者151名を対象とした牽引群とシャムトリートメント(擬似牽引)群に割り付けたランダム化比較試験(RCT)によると、3ヵ月後と6ヵ月後のどの時点においても両群間の疼痛軽減率に差は認められなかった。http://1.usa.gov/pbbXCc

■坐骨神経痛患者を対象とした牽引群とシャムトリートメント(擬似牽引)群に割り付けた二重盲検ランダム化比較試験によると、両群の間に疼痛や理学所見の差は認められなかった。腰痛や坐骨神経痛に対して牽引が有効だという証拠はない。http://1.usa.gov/qWLMLj

■頚部痛と腰痛に対する牽引に関する7件のRCT(ランダム化比較試験)をレビュー(批判的に吟味)した結果、どの研究からも牽引の有効性は認められなかった。腰痛や坐骨神経痛に牽引が有効だという証拠は今のところ存在しない。http://1.usa.gov/qeOuDX

■食品流通センター勤務の男性90名を対象に、荷物の持ち上げ方に関する教育群、特注コルセット+教育群、非介入群に割り付けて6ヶ月間追跡したRCTによると、3群間の腰痛発症率と腰痛による欠勤日数に差は認められなかった。http://1.usa.gov/nx51vQ

■空港貨物部勤務の312名を対象に、荷物の持ち上げ方に関する教育群、コルセット+教育群、コルセット群、非介入群に割り付けて6ヶ月間追跡したRCTによると、4群間の腰痛発症率と腰痛による欠勤日数に差は認められなかった。http://1.usa.gov/pAUFtW

■小売店の資材運搬担当者9,377名を対象とした6ヶ月にわたる前向きコホート研究によると、腰部サポートベルト毎日装着群、週1~2日装着群、非装着群の3群を比較した結果、腰痛発症率も労災申請件数も減少しなかった。http://1.usa.gov/q7mNYQ

■腰部コルセットやサポートベルトの装着で腰痛を予防できないのは明白だが、これまで考えられていたように長期間の装着によって腹筋力や背筋力の低下を招く危険はない。腰部コルセットやサポートベルトはリスクもベネフィットもない。http://t.co/gexF0X8

■急性腰痛患者363名を対象に標準的治療群、運動療法群、シャム(疑似治療)群に割り付けて1年間追跡したRCTによると、腰痛による欠勤率は運動療法群が最も高く、シャム群が最も低かった。急性腰痛に対する運動療法は無効。http://1.usa.gov/nZYZXu


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-39-

■腰痛経験もなくX線所見も異常のないボランティア受刑者50名を対象に、腰部椎間板造影を行なったところ、全例に異常所見が確認された。重大な合併症の危険を冒してまで、侵襲的な椎間板造影を行なうメリットはどこにあるのか? http://1.usa.gov/iUPQWz

■椎間板ヘルニア患者を対象に、CT、脊髄造影、椎間板造影、ミエロCT、ディスコCT、MRIの診断精度を比較した結果、最も高いのはMRIで最も低いのは椎間板造影だった。http://1.usa.gov/kv9ISH http://1.usa.gov/jlyHsd

■坐骨神経痛患者55名と健常者37名を対象に、腰部サーモグラフィーの診断精度を比較した結果、健常者の56~81%に異常所見が確認されたことから、腰下肢痛疾患の診断にサーモグラフィーは役立たないことが判明。http://1.usa.gov/iBgilg

■各国の腰痛診療ガイドラインレッドフラッグのない患者に画像診断をするなと勧告しているが、レッドフラッグは問診と簡単な理学検査で検出できる。しかし完全無欠というわけではない。感度と特異度もしっかり頭に入れておくべき。http://1.usa.gov/mJccsd

■当初は有効とされていたが比較試験によって無効と判断され医学界が放棄した治療法に関する19件の論文をレビューした結果、その平均有効率は約70%(Excellent:40.2%、Good:29.6%、Poor:30.3%)にも達していた。http://bit.ly/ijxEk5

■1966年~1991年に発表された椎間板ヘルニアに対する脊椎固定術に関する47件の論文をレビューしたところ、脊椎固定術によって優または良と評価できた割合は平均68%だったことが判明。平均70%のプラシーボとほぼ同等。http://1.usa.gov/k4Z0q9

■脊柱管狭窄症に対する減圧椎弓切除術に関する74件の論文をレビューしたところ、減圧椎弓切除術によって優または良と評価できた割合は平均64%だったことが判明。やはりプラシーボの平均有効率70%を超えていない。http://1.usa.gov/k28GnN

■変形性膝関節症患者180名を関節鏡手術群、関節内洗浄群、模擬手術群に割付けたRCTによると、関節鏡手術の成績は2年間にわたって模擬手術と同等だった。プラシーボに過ぎない関節鏡手術にかかる医療費は他に振り向けるべき。http://t.co/TbB5ddK

■27,801名を対象としたアンケート調査から、急性腰痛患者の86.2%は2週間以内に治癒することが判明。この86%という自然治癒率とプラシーボの70%を超えられない治療法は価値がないどころか治癒を妨げていることになる。http://1.usa.gov/kbxBhi

■急性腰痛患者203名を対象に2日間の安静臥床群と7日間の安静臥床群を比較したRCTによると、3週間後の欠勤日数は2日間の安静臥床群の方が45%少なかった。急性腰痛に対する安静臥床は欠勤日数を増やすことが証明される。http://1.usa.gov/jFHMqM


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-38-

■腰痛のきっかけとなった出来事に関するアンケートの結果、経済的利益が得られる患者の90%がきっかけありと答えたのに対し、利益が得られない患者は33%しかきっかけありと答えなかった。腰痛の67%が自然発症することが判明。http://1.usa.gov/kQrHzi

レッドフラッグがない限り画像検査を行なうなと各国の腰痛ガイドラインが勧告しているが、基準が甘すぎるという議論が勃発。腰痛は予後良好の疾患であり、安静臥床は避けるべきという情報伝達を妨げ、過剰診療に繋がる恐れがあるから。http://1.usa.gov/iBFoXO

■要するに、腰痛患者で重篤疾患が見つかるのは1~5%程度なのに、レッドフラッグの基準を守ると画像検査が増えるということなのだが、稀ではあるもののレッドフラッグをすり抜ける厄介なケースが存在する。となれば、血液検査をより積極的に行なったらどうだろう。費用対効果も優れているように思う。

■この50年間、生体力学に基づく人間工学的アプローチによって腰にかかる負担は大幅に軽減されてきたが、腰痛患者が減少したという証拠は1つも存在しない。それどころか腰痛患者は年々増加し続けている。腰を守ろうとするのは逆効果。http://1.usa.gov/mcgEVI

■腰痛患者200名と健常者200名のX線写真を比較した結果、腰痛患者の30%に脊柱側彎症が、1%に前彎過剰が、22%に前彎減少が見られ、健常者の45.5%に脊柱側彎症が、2.5%に前彎過剰が、22%に前彎減少が見られた。http://1.usa.gov/jb0ly3

■腰痛のない25名の大学生を対象に腰椎への物理的負荷に対する心理的ストレスと性格特性の影響力を調べた結果、心理的ストレスは単独で腰痛の原因となり、特に内向型と直感型の性格特性は心理的ストレスで腰痛発症リスクが高くなる。http://1.usa.gov/j5FbjY

■腰のX線撮影による放射線被曝量は、胸の写真に換算すると150回分に相当し、4方向から撮影した場合、卵巣への被曝量は6年~98年間毎日、胸の写真を撮った被曝量に匹敵。http://1.usa.gov/ify8x6 http://1.usa.gov/kjcHDP

■腰痛患者421名をX線撮影群と非撮影群に割り付け、9ヶ月間にわたって追跡調査した結果、非撮影群に比べるとX線撮影群は痛みの持続期間、活動障害、健康状態の成績が悪く、受診回数も多かった。不安や恐怖は治癒を妨げている。http://1.usa.gov/ihdsPJ

■1985年~1995年に発表された腰痛疾患と画像検査に関する論文672件をレビューした結果、画像所見と腰痛との間に関連があるという証拠は見出せなかった。レッドフラッグのない腰痛患者の画像検査は無意味である可能性大。http://1.usa.gov/mwyvVG

■5つの異なる職種の男性149名を対象に、1年間にわたってMRIで腰部を観察した結果、椎間板変性と腰痛との関連はない、職種による異常検出率に差はない、調査期間中に13名が腰痛を発症したがMRI所見に変化はないことが判明。http://1.usa.gov/kx1dpn


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-37-

■25~74歳の一般住民1,609名を最長14年間追跡調査した結果、広範囲にわたる慢性疼痛を持つ被験者は、疼痛のない被験者より死亡率が高いことが確認された。その死亡率上昇は、喫煙、睡眠障害、身体活動低下と関連していた。http://1.usa.gov/k8QzfA

■腰痛患者100名と健常者100名を対象に腰部X線写真を比較した研究では、両群間の腰仙移行椎、脊椎辷り症、潜在性二分脊椎、変形性脊椎症の検出率に差は認められなかった。画像検査による脊椎の異常所見は本当に腰痛の原因か? http://1.usa.gov/lCMbXb

■腰痛患者200名と健常者200名のX線写真を比較した結果、脊椎辷り症、腰仙移行椎、潜在性二分脊椎、椎間狭小、変形性脊椎症、脊柱側彎症、前彎過剰、前彎減少、骨粗鬆症、シュモール結節、圧迫骨折、骨盤傾斜の検出率に差はない。http://1.usa.gov/jb0ly3

■18~50歳までの腰痛患者807名と健常者936名を対象に、腰部X線撮影で脊椎分離症の検出率を比較した結果、腰痛患者群は9.2%、健常者群は9.7%だった。脊椎分離症が腰下肢痛の原因と考えるのは非論理的。http://1.usa.gov/j2Jw5a

■発症後1年以内の腰痛患者144名と健常者138名を対象に、骨盤の歪みを厳密に測定して腰痛との関連を調べた研究により、どのような臨床的意義においても、骨盤の非対称性(歪み)と腰痛とは関連していないことが証明されている。http://1.usa.gov/kIBHZm

■港湾労働希望者208名、急性腰痛の港湾労働者207名、慢性腰痛患者200名のX線写真を比較した結果、両群間の異常検出率に差がなかったことから、将来の腰痛発症を予測できず、放射線被曝するX線撮影は雇用者の選別には不適切。http://1.usa.gov/kNXTVG

■明らかに効果がないか、僅かなエビデンスしかない治療法を奨励してはならない。患者や社会の利益を考慮すれば強力なエビデンスのある治療法だけを普及させるべきで、ある方法が他の方法より優れていることを明らかにする研究が必要。http://1.usa.gov/kKuYzg

■椎間板造影は全米で年間20万回以上行なわれている侵襲的検査法だが、10年間にわたる前向きコホート研究によって、椎間板造影は椎間板の変性を加速させていることが判明。最新の技術を用いても椎間板穿刺は椎間板構造を変化させる。http://1.usa.gov/jQIEab

■妊婦54名と非妊婦41名の腰部椎間板をMRIで比較した結果、椎間板異常は妊婦群で53%、非妊婦群で54%、椎間板ヘルニアは妊婦群で9%、非妊婦群で10%、椎間板膨隆は両群とも44%と差がなかったことから、妊娠は安全。http://1.usa.gov/luz28A

■急性腰痛患者200名、慢性腰痛患者200名、健常者200名を対象にX線撮影で仙骨底角を比較した結果、3群間に差はなかったことから、腰部前彎と腰痛とは一切無関係なので、医師は腰部前彎に関するコメントを控えるべきと警告。http://1.usa.gov/jLuOXd


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-36-

■有痛性の骨粗鬆症椎体骨折患者131名を対象としたRCTによると、経皮的椎体形成術群と対照群(保存療法)を比較したところ、両群間の疼痛および活動障害に差は認められず、椎体形成術の適用を支持する結果は得られなかった。http://1.usa.gov/kvXvxo

■健常者41名を対象に腰部椎間板を5年間にわたってMRIで追跡調査した結果、物理的負荷(重量物の挙上や運搬・腰の回転や屈曲等)という従来の危険因子は椎間板変性とは無関係で、腰痛発症率はむしろ椎間板変性のある方が低かった。http://1.usa.gov/ijefOR

■男性の一卵性双生児115組を対象にMRIで椎間板変性を促進させる危険因子を調査した結果、椎間板変性は仕事やレジャーによる身体的負担、車の運転、喫煙習慣といった物理的因子より、遺伝的因子の影響を強く受けていることが判明。http://1.usa.gov/kWg7Iw

■21~80歳までの腰痛未経験者52名を対象にCATスキャンで腰部椎間板を分析した結果、年齢に関わらず35.4%に何らかの異常が検出され、40歳未満の19.5%に、40歳以上の26.9%に無症候性椎間板ヘルニアが確認。http://1.usa.gov/mBTclS

■20~80歳までの腰痛未経験者67名を対象にMRIで腰部椎間板を分析した結果、21~36%に椎間板ヘルニアが、50~79%に椎間板膨隆が、34~93%に椎間板変性が確認されたことから、手術の選択は慎重にすべきと結論。http://1.usa.gov/knGWuH

■20~80歳までの腰痛未経験者98名を対象にMRIで腰部椎間板を分析した結果、少なくとも1ヵ所以上の椎間板膨隆が52%、椎間板突出が27%、椎間板脱出が1%確認されたことから、腰痛下肢痛患者の異常所見は偶然の可能性。http://1.usa.gov/l2kc0U

■椎間板ヘルニアと診断された強い腰下肢痛を訴える患者46名と、年齢、性別、職業などを一致させた健常者46名の腰部椎間板をMRIで比較した結果、健常者の76%に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が確認された。http://1.usa.gov/iN3oKG

■脊椎医療の分野では、腰痛や頚部痛の発症および慢性化に対する社会的影響を過小評価、もしくはほとんど無視してきた。しかし、社会的疼痛は身体的疼痛と同様に無視できない疼痛である。人は社会的な絆に支えられて生きているのだから。http://1.usa.gov/jfBai5

■モルヒネの鎮痛作用に最も関連深いμオピオイド受容体に変異のある被験者を対象にfMRIで分析した結果、社会的疼痛と身体的疼痛は脳の同じ領域(背側前帯状皮質・前部帯状回)が関与している可能性が明らかに。社会的な絆は重要。http://1.usa.gov/jnoVqO

■18~75歳の一般住民6,569名を9年間追跡調査した結果、慢性疼痛および広範囲の疼痛を持つ被験者は、疼痛のない被験者より死亡率が20~30%高かった。早期死亡の主な原因は乳癌と前立腺癌。運動量や食事習慣などが関与? http://1.usa.gov/iYuYJs


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-35-

■急性腰痛患者186例を対象としたRCTによると、安静臥床群、ストレッチ群、日常生活群のうち、最も早く回復したのは日常生活群で、最も回復が遅かったのは安静臥床群だった。腰痛に安静第一は間違い。むしろ回復を妨げる。http://1.usa.gov/mOolz9

■エビデンスに基づく正確な情報を平易かつ理解可能な言葉で患者に提供できれば、腰痛患者は不適切な治療を選択しなくなるだろうが、3つの専門学会と10ヶ所の医療機関のウェブサイトを調査した結果、97%が患者にとって難解だった。http://1.usa.gov/kuWavp

■イラクとアフガニスタンで腰痛を発症した兵士1410名を対象にした前向き研究によると、戦闘中に腰を負傷したのは5%だったにも関わらず原隊復帰率はわずか13%にすぎず、身体的問題よりも心理・社会的問題が原因と考えられる。http://1.usa.gov/mylrz4

■イラクやアフガニスタンから離脱した米軍兵士34,006名を対象とした前向き研究によると、離脱原因は筋骨格系・結合組織疾患(24%)、戦闘による負傷(14%)、神経疾患(10%)などであり、ほとんどが原隊復帰しなかった。http://1.usa.gov/kkNruO

■腰椎の変形が腰痛の原因でないことは半世紀以上も前から証明されてきた。最も古い対照試験は1953年に実施された腰痛患者100名と健常者100名の腰部X線写真を比較したもので、両群間の変形性脊椎症の検出率に差はなかった。http://1.usa.gov/lCMbXb

■腰痛患者378名と健常者217名の腰部X線写真を比較した研究でも、両群間における変形性脊椎症の検出率に差はなく、加齢と共に増加する傾向が見られることから、変形は正常な老化現象にすぎず、腰痛の原因とは考えられないと結論。http://1.usa.gov/msMFAV

■60歳の一般住民666名を対象に胸椎と腰椎のX線写真を分析した結果、腰痛経験者の58.7%に、未経験者の57.5%に変形性脊椎症が確認されたが、両群間の検出率に差はなかった。老化よる脊椎の変形は腰痛の原因ではない。http://1.usa.gov/kLY3o9

■港湾労働就職希望者208名、急性腰痛を発症した港湾労働者207名、6ヶ月以上続いている慢性腰痛患者200名を対象に、腰部のX線写真の異常検出率を比較した結果、3群間の加齢による異常検出率に差は認められなかった。http://1.usa.gov/jVFqUC

■腰痛患者200名と健常者200名のX線写真を比較した研究によると、両群間に変形性脊椎症、骨粗鬆症、椎体圧迫骨折などの異常検出率に差は認められなかった。したがって老化による解剖学的変化が腰痛の原因とは考えられないと結論。http://1.usa.gov/jb0ly3

■有痛性の骨粗鬆症椎体骨折患者を対象としたRCTによると、骨セメントを注入する経皮的椎体形成術群(38例)と模擬手術群(40例)の術後成績に差は認められず、両群とも急速に痛みが軽減した。椎体形成術はプラシーボに勝てず。http://1.usa.gov/jPz9Pb


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-34-

■腰痛分野の研究はこの20年間で目覚しい進展がみられ、腰痛疾患の疫学や理解が進んだにもかかわらず、腰痛の臨床転帰や活動障害の予防に改善は認められない。集学的チーム医療が行なわれていないからだ。このままでは急速な進歩は見込めない。http://1.usa.gov/kLP8z6

■体重差のある(平均13Kg)一卵性双生児を対象にMRIで腰椎を比較した結果、体重が重い方が腰椎の骨密度が高く、椎間板の状態も良好だった。仕事やスポーツによる累積的かつ反復性の生体力学的負荷が椎間板にダメージを与えるわけではない。http://1.usa.gov/ldX4Zv

■議論の余地がない真実とされる信念、学説、慣行という腰痛分野における「聖域」を侵した双生児研究の業績は大きい。輝かしい賞を数多く受賞しているにもかかわらず、腰への物理的負荷が椎間板変性の危険因子だとする見方は変わらない。目を覚ませ。http://1.usa.gov/vUFBka

■これまで職場での身体的負荷(重量物の取り扱い、不自然な姿勢での作業など)、自動車の振動、喫煙などが椎間板変性を加速すると考えられていたが、一卵性双生児を対象とした比較研究によって身体的負荷よりもむしろ遺伝子の影響が大きいことを発見。http://1.usa.gov/iPsKBC

■フィンランドの男性双生児600例を対象とした研究によって、BMI高値、引き上げ筋力が強い、作業強度が高いといった因子はすべて椎間板変性を遅らせるらしいということが、椎間板のMRI信号強度スコアから証明された。http://1.usa.gov/m8HAed

■腰痛分野における遺伝学的影響の研究はまだ初期段階だが、椎間板変性に関する従来の仮説が誤りであることを証明すれば、より有用な仮説に向かって研究が進み、時代遅れの考え方に基づく効果が実証されていない予防法を刷新できる。http://1.usa.gov/jbLioe

■アメリカでは脊椎治療実施率が上昇しているにもかかわらず身体的・機能的アウトカムは低下傾向にある。脊椎医療は次々と色々なことに手を染めているが、その成果は極めて乏しい状況にある。http://1.usa.gov/kBmBqb http://1.usa.gov/lg3HR0

■ノースカロライナ州の地域住民を対象とした研究では、慢性腰痛患者が増加していると共に医療機関の受診率も上昇しているが、画像検査、薬剤投与、物理療法が過剰使用されていて、エビデンスに基づく治療が行なわれていないことが判明。http://1.usa.gov/imqCav

■近年、慢性腰痛に対する医療費が激増している。硬膜外ブロック(629%増)、オピオイド鎮痛剤(423%増)、MRI(307%増)、脊椎固定術(220%増)。しかし患者の症状や活動障害は改善していない。明らかに過剰診療。http://1.usa.gov/lrANBd

■頚部痛と腰痛患者256例を対象に、医師の標準的な治療群、脊椎マニピュレーション群、理学療法群、シャムトリートメント群に割り付けたRCTによると、最も成績が悪かったのは医師の標準的な治療群とシャムトリートメント群だった。http://1.usa.gov/kfFvV6


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-33-

■坐骨神経痛に対する椎間板手術は、保存療法よりある程度の優位性を示すものの一過性でしかない。ノルウェーのRCTでは1~4年間優位性が持続したが http://1.usa.gov/lflO3P、オランダのRCTでは1年未満だった。http://1.usa.gov/l8WVTV

■精神療法が慢性腰痛の有効な治療法になり得るという考えを理解するのは、患者にとっても医師にとっても難しい。腰痛は身体的に治療されるべき症状であり、腰痛が改善すれば身体的問題も心理的問題も軽減されるはずだと多くの人々が考えているからだ。だがその方法論では症状の一部しか軽減されない。

■イギリスで行なわれた701名を対象としたRCTでは、数回にわたる集団での認知行動療法によって慢性腰痛の疼痛と活動障害が改善され、その効果は12ヶ月も持続しただけでなく、費用も一般的な腰痛治療の約半分に抑えられた。http://1.usa.gov/mobdNx

■腰痛疾患の分野では十分な試験が行なわれることなく新しい技術が普及してしまう。アメリカでは脊柱管狭窄症に対する固定術の実施率が15倍に増加したが、それに伴い重篤な合併症、死亡率、再入院による医療費なども増加している。明らかに過剰診療。http://1.usa.gov/lrHYry

■脊柱管狭窄症の治療では、特異的な適応がほとんどない症例や、より簡単な治療で高い効果が得られる明確なエビデンスがある症例に対しても、より複雑な新しい手技(固定術)が行なわれている。エビデンスのないリスクを伴う高価な治療の急増は問題だ。http://1.usa.gov/mntabq

■脊柱管狭窄症で複雑な固定術を受けた患者は、除圧術に比べて命に関わる合併症リスクが3倍(5.6%対2.3%)。術後30日以内に再入院する可能性も高く(13%対7.8%)、手術費用も3倍強にのぼる(80,888$対23,724$)。http://1.usa.gov/lrHYry

■複雑な固定術を必要とする脊柱管狭窄症がわずか6年で15倍に増加したとは考えられない。脊椎分野のオピニオンリーダーの影響や思い込み、経済的利益などの要因が関与している。正確な情報を与えられれば患者は低侵襲性のリスクの小さい手術を選択するだろう。http://n.pr/8XAf9S

■「激しい」「突き刺ささる」「ヒリヒリする」等の言葉で頭を満たした場合、レーザー光による熱刺激に対する感受性が増大して疼痛感覚が増強される。痛みに関連した言葉と疼痛刺激が組み合わさるとプライミング効果で疼痛体験が雪だるま式に膨れ上がる。http://1.usa.gov/mFRvuz

■fMRIを用いた研究によれば、痛みに関連した言葉とイメージを思い浮かべると脳のペインマトリックスが活性化するが、注意を逸らせると活性レベルが低下した。ゆえに痛みをくよくよ考えたり頻繁に話題にしたりする患者は自ら症状を悪化させている。http://1.usa.gov/kRj6OS

■医師による患者を安心させる言葉は、腰痛の改善に大きな力を発揮するだろう。そして患者は腰痛についてくよくよ考え込まないこと、四六時中その痛みについて考えないことが重要である。腰痛のことで頭をいっぱいにすると、プライミング効果で疼痛強度が増すからだ。恐るべきかな言霊の威力。


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-32-

■『Tackling Musculoskeletal Problems』には筋骨格系疾患患者の職場復帰を妨げる重要な心理社会的因子(イエローフラッグ、ブルーフラッグ、ブラックフラック)だけでなく、時系列に沿った段階的治療手順が示されている。http://amzn.to/lU1o26

■発症後2週間以内に行なうべきは患者の支援である。すなわち、エビデンスに基づく助言、誤った信念の打破、症状のコントロール。この初期段階で手を打てないのが日本の現状。最初からボタンをかけ違えているから腰痛患者が増える一方なのだ。医療関係者とメディアの罪は重い。

■発症後2~6週間で行なうべきは簡単な介入である。すなわち、治療+職場環境の調整、心理社会的問題の特定、仕事や活動障害の早期復帰計画を作成すること。ニュージーランドガイドラインである『急性腰痛と危険因子ガイド』では、もっと早い段階でイエローフラッグを評価するよう勧告している。

■発症後6~12週間でシフトチェンジして加速する。すなわち、回復の妨げとなる障害のチェック、職業的リハビリテーションの拡大、効果のない治療の中止だ。繰り返しになるが、筋骨格系疾患を医学的問題として治療すると失敗する。イエローフラッグ、ブルーフラッグ、ブラックフラッグを解決すべき。

■発症後12週間を超えた時点で集学的アプローチを加える。すなわち、治療計画と到達目標の再検討、認知行動療法への転換、仕事や活動を再開するためにすべての関係者が最大限の努力をする。とはいえ、認知行動療法的アプローチはできるだけ早い段階で加えた方が慢性化を防ぐと思われる。

■発症後26週間で社会的解決へ移行する。すなわち、目標を明確にすると同時にコミュニティサポートの提供、すべての関係者がコミュニケーションを維持、不必要な医学的介入の回避だ。ここまでくるとブラックフラッグへの介入が重要と思われる。医療関係者、政府、企業、メディアを変える必要あり。

■医療提供者は腰痛に関する患者の誤解を解くと共に、効果的な管理へ導かなければならない。「患者は生体力学的な視点から生体力学的な異常が見つかることを期待している。何らかの形で我々が患者にそのような考え方を教えてきたのである。患者にも再考を迫る必要がある」by David Shute

■現在の腰痛管理システムはけっして理想的なものではなく、腰痛を悪化させる可能性すらあることを示す豊富なエビデンスがある。http://1.usa.gov/lr6fyx

■ノースカロライナ州の地域住民を対象とした最近の研究によると、慢性腰痛があると回答した成人の割合は、1992年には3.9%だったものが2006年には10.2%にまで増加している。腰痛を生物・心理・社会的問題として対処しないからだ。http://1.usa.gov/uytoF6

■2年間にわたる追跡調査によると、坐骨神経痛を有する椎間板ヘルニアの手術は保存療法より有益とはいえない。職場復帰率や長期活動障害率においても手術の優位性は認められなかった。坐骨神経痛は手術を受けるか否かに関わらず時間が経てば改善する。http://1.usa.gov/igqtA0


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-31-

■腰痛は米国で最も過剰診療が行なわれる疾患だが、それによって患者のアウトカムや有病率が改善したようには思われない。http://1.usa.gov/lrANBd http://abcn.ws/cBnU4o

■慢性腰痛患者を対象とした二重盲検プラセボ対照RCTの結果、巷で大人気のグルコサミン服用群に、プラセボ群を上回る統計学的に有意な利点は認められなかった。http://1.usa.gov/lNW0Zv

■88,000例以上を対象としたコホート研究により、筋骨格系疾患を持つ患者の死亡率と発がん率の高いことが判明。死亡率が高いのは股関節痛・腰痛・肩関節痛の順で、発がん率が高いのは腰痛・股関節痛・頚部痛の順だった。http://1.usa.gov/mnkHNZ

■腰痛の原因はいまだに謎だが、椎間板変性を腰痛の原因と考える脊椎外科医は23%のみで、その患者に固定術か椎間板置換術を選択すると答えた脊椎外科医はわずか1%。もし自分が患者なら99%が保存療法か放置すると回答。http://1.usa.gov/katDsM

■筋骨格系疾患で重要なのは「長期病欠は不利益」「患者は損傷に苦しんでいるのではなくイエローフラッグ、ブルーフラッグ、ブラックフラッグに苦しんでいる」「患者を助けるには資源や費用は不要」「職場復帰には医師のみならず職場の関与が必要」の4点。http://amzn.to/lU1o26

■拙著『腰痛ガイドブック』と拙訳『急性腰痛と危険因子ガイド』で紹介したように、イエローフラッグは臨床転帰不良や慢性疼痛、活動障害をもたらす患者自身の心理社会的問題。痛みを大惨事と捉える、重病だという思い込み、過度の心配、抑うつ、動作恐怖、将来の不安、受動的態度、効果のない治療など。

■ブルーフラッグは職場に関連した問題。肉体労働、満足度の低い仕事、職場の社会的支援不足、ストレスの多い仕事、労働環境や作業内容の変更が行なわれない、労使間のコミュニケーション不足など。

■ブラックフラッグは患者をとりまく社会的環境に関する問題。会社や医療関係者との意見の不一致、補償問題、各種手続きの遅延、恐怖心を煽るメディアに対する過剰反応、家族からの否定的反応、社会的孤立や社会的機能不全、役立たない職場復帰計画など。

■腰痛問題が解決しないのは、医療提供システムに欠陥があるからだという。画像検査、鎮痛処置、手術を受けさせた方が、過剰な恐怖心、不適切な疼痛行動といった心理社会的危険因子を取り除くより容易である。しかも現行の健康保険制度は、慢性腰痛に役立つサービスを提供できる構造になっていない。

■多くの研究者が腰痛に取り組んできたにもかかわらず、依然として医学的・社会的大問題である。効果のない治療と見当違いの政策によりこの危機が雪だるま式に大きくなっている。「腰痛は20世紀の医学的大問題だったがその遺産は21世紀も拡大している」http://amzn.to/mdUzuP


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-30-

■22:体幹筋(特に脊柱起立筋)の強化運動は急性腰痛患者に有効だが発症後2週間以内に始めると症状を悪化させる恐れがある(確証度C)。23:エクササイズマシンが従来の腰痛体操より有効という証拠はない(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■24:急性腰痛に対してストレッチが有効だという証拠は存在しない(確証度D)。25:運動中に疼痛が増強したからといって運動を中断するよりも、痛みの程度に応じて徐々に運動量を増やすほうがはるかに効果的である(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■【外科手術】1:保存療法を1ヶ月間行なっても坐骨神経痛が改善せず、進行性の耐え難い痛みが持続し、神経根が関与している臨床的根拠がある場合に限り、椎間板ヘルニアに対する手術を検討するべきである(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■2:標準的椎間板切除術と顕微鏡下椎間板切除術の有効性は同等であり、神経根症状を伴う椎間板ヘルニアに推奨できる(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■3:キモパパイン注入療法は椎間板ヘルニアに対する治療法として受容可能だが、標準的椎間板切除術や顕微鏡下椎間板切除術より有効ではない。キモパパインによるアナフィラキシーショックはアレルギー検査で回避できる(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■4:椎間板ヘルニアに対する経皮的椎間板摘出術はキモパパイン注入療法より有効ではない。経皮的椎間板摘出術を含む新しい手術方法は比較試験によってその有効性が証明されるまで推奨できない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■5:神経根症状のない急性腰痛(ぎっくり腰)患者で、レッドフラッグ(危険信号)がなければ椎間板ヘルニアを疑って外科手術を検討する必要はない(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■6:脊柱管狭窄のある高齢者であっても、日常生活に支障がなければ保存療法による管理が可能であり、症状が現れてから3ヶ月間は外科手術を考えるべきではない(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■7:脊柱管狭窄症患者に対する外科手術の決定は、単に画像検査の結果に頼るのではなく、持続的な間欠性跛行、活動障害、その他の神経学的所見を考慮して行なわれるべきである(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■体系的レビューとメタ分析の結果、慢性腰痛は年齢・性別・体重・教育レベルの影響をまったく受けておらず、肉体労働・仕事の満足度・病欠などの影響も弱い。最も重要なリスクファクターは心理学的・機能的領域と考えられる諸因子(イエローフラッグ)。http://1.usa.gov/lr6fyx


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-29-

■3:神経根症状に対して脊椎マニピュレーションを推奨する十分な証拠はない(確証度C)。4:1ヶ月以上持続している神経根症状のない腰痛患者に対する脊椎マニピュレーションはおそらく安全だが効果は証明されていない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■5:脊椎マニピュレーションによる治療を1ヶ月間行なっても患者の症状や機能障害の改善が認められない場合は、脊椎マニピュレーションを中止して患者を再評価すべきである(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■6:急性腰痛(ぎっくり腰)に対する物理療法(温熱・寒冷・マッサージ・超音波・低出力レーザーなど)の費用対効果は十分に証明されていない。患者が家庭で患部を温めたり冷やしたりすることは選択肢のひとつとなり得る(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■7:TENS(低周波治療器)は急性腰痛の治療に推奨しない(確証度C)。8:長時間立ち仕事をする急性腰痛患者にインソールは選択肢のひとつ(確証度C)。9:下肢長差が2cm以下ならシューリフトは推奨しない(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■10:急性腰痛に対する腰部コルセットとサポートベルトの有効性は証明されていない(確証度D)。11:腰部コルセットは荷役作業従事者の腰痛による欠勤日数を減少させる可能性がある(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■12:急性腰痛患者(ぎっくり腰)の治療に牽引は推奨できない(確証度B)。13:急性腰痛患者の治療にバイオフィードバックは推奨できない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■14:トリガーポイント注射の有効性は証明されておらず侵襲的なため急性腰痛の治療に推奨できない(確証度C)。15:靭帯や硬結部への注射の有効性は証明されておらず侵襲的なため急性腰痛の治療に推奨できない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■16:椎間関節ブロック有効性は証明されておらず侵襲的なため急性腰痛の治療に推奨できない(確証度C)。17:硬膜外ブロックは侵襲的なため神経根症状を伴わない急性腰痛の治療に推奨できない(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■18:硬膜外ブロックは保存療法で神経根症状の改善が見られない場合、手術を避けるための緩和療法として用いることができる(確証度C)。19:鍼治療や乾性穿刺は急性腰痛患者(ぎっくり腰)の治療として推奨できない(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■20:軽いエアロビックエクササイズ(有酸素運動)は活動障害による体力低下を防ぎ、日常生活ができるだけの機能回復を促す(確証度C)。21:軽いエアロビックエクササイズは腰痛発症から2週間以内に始めてもよい(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-28-

■7:筋弛緩剤は患者の30%に眠気やめまいなどの副作用が現れるため、筋弛緩剤を選択肢の一つとして使用する場合は、他の薬物療法で生じ得る副作用のリスクを考慮して処方すべきである(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■8:オピオイド鎮痛薬(麻薬系鎮痛剤)は限定的に使用されるのであれば急性腰痛患者の治療において選択肢のひとつとなるが、他の薬物療法で生じ得る副作用のリスクを考慮して処方すべきである(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■9:オピオイド鎮痛薬(麻薬系鎮痛剤)は、腰痛疾患の症状緩和においてアセトアミノフェンやアスピリン、あるいは他のNSAIDといった安全な鎮痛薬より効果的とは考えられない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■10:医師はオピオイド鎮痛薬(麻薬系鎮痛剤)の反応時間の遅延・判断力の低下・眠気といった副作用によって、35%の患者が早期に服用を中断していることを知っておくべきである(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■11:患者は身体的依存および車の運転や重機の操作など、オピオイド鎮痛薬(麻薬系鎮痛剤)の使用と関連付けられている副作用のリスクについて警告を受けるべきである(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■12:経口ステロイド剤(ステロイド系抗炎症薬)は急性腰痛の治療として推奨できない(確証度C)。13:経口ステロイドによる重大な副作用のリスクは長期間の服用や短期間の大量服用と関連している(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■14:コルヒチン(痛風発作を抑える薬)の有効性を示す確たる証拠はなく、強い副作用の危険性があることから、急性腰痛患者(ぎっくり腰)の治療にコルヒチンは推奨できない(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■15:抗うつ剤は急性腰痛患者(ぎっくり腰)の治療に推奨できない(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■【保存療法】1:脊椎マニピュレーション(カイロプラクティックなど)は神経根症状のない急性腰痛患者(ぎっくり腰)に対して発症後1ヶ月以内に用いられれば症状が改善する可能性がある(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■2:進行性あるいは重大な神経学的欠損(知覚麻痺・筋力低下など)が認められる場合、脊椎マニピュレーションを行なう前に危険な神経学的問題を除外するために適切な診断評価が必要とされる(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-27-

■これからAHCPRの『成人の急性腰痛診療ガイドライン』が勧告している急性腰痛の治療について、【患者への情報】【薬物療法】【保存療法】【外科手術】に分けてエビデンスレベル(科学的根拠の確証度)を明記して紹介していきます。http://1.usa.gov/uhlYSO

■【患者への情報】1:速やかに回復する、効果的な改善策、無理のない生活様式、再発の予防法、レッドフラッグがなければ検査は不要、症状が長引く場合の検査法と治療法の有効性と危険性など、患者に正確な情報を与える。(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■2:急性腰痛の治療においては職場での腰痛教室(古典的な腰部の解剖学・姿勢・日常生活に関する教育)は臨床現場で行なう患者教育の助けになる(確証度C)。3:職場以外での腰痛教室の有効性はまだ証明されていない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■4:急性腰痛にとっては長期間の安静臥床(安静に寝ている)よりも、痛みの許す範囲内で徐々に日常生活に戻る方が効果的(確証度B)。5:4日以上の安静臥床は筋力低下を招くために急性腰痛の治療として推奨できない(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■6:急性腰痛に安静臥床(安静に寝ている)の必要はない。ただし、主に下肢痛を訴える患者で初期症状が強い場合は、2~4日間の安静臥床を選択肢として選ぶことができる(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■7:急性腰痛患者は、長時間座り続けたり、重い物を持ち上げたり、物を持ち上げる際に腰を曲げたり捻ったりなど、脊柱に構造的負担がかかる特別な活動を一時的に制限したり避けたりることで楽に過ごせる可能性がある(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■8:急性腰痛患者の活動量や作業内容の変更を検討する際、年齢と全般的な健康状態、仕事で要求されるだけの体力があるかどうかを考慮する必要がある。(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■【薬物療法】1:アセトアミノフェンは安全性が高く急性腰痛患者の治療に許容できる(確証度C)。2:アスピリンを含むNSAID(非ステロイド系抗炎症薬)は急性腰痛患者の治療に推奨できる(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■3:NSAIDには主に胃腸障害の副作用があるため使用にあたっては既往歴・副作用・費用対効果などを考慮する(確証度C)。4:フェニルブタゾンには骨髄抑制(再生不良性貧血など)のリスクがあるため推奨できない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■5:筋弛緩剤は急性腰痛の治療において選択肢の一つになる。プラシーボより有効だろうがNSAIDを上回る有効性は示されていない(確証度C)。6:筋弛緩剤とNSAIDを併用してもNSAID単独より有効ではない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-26-

■8:重篤な疾患を示唆するレッドフラッグがある場合を除き、腰痛発症後1ヶ月以内のCT・MRI・ミエログラフィー・CT-ミエログラフィーは推奨しない。発症1ヶ月後に重篤な疾患の鑑別や手術を検討する場合には容認(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■9:腰椎外科手術の既往歴のある急性腰痛患者において、腰椎外科手術による瘢痕組織と椎間板ヘルニアを鑑別するための画像検査にはMRIを用いる(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■10:ミエログラフィーとCT-ミエログラフィーは侵襲的な検査であり、合併症のリスクを増大させることから、外科手術を前提とした特別な状況に限って行われるべき画像検査である(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■11:CTとMRIのスライス幅は0.5cm以下で椎体終板に平行。MRIの磁界強度は0.5T以下。ミエログラフィーとCT-ミエログラフィーは水溶性造影剤。これらの画像検査の調書は放射線科医の報告を基に作成(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■12:骨スキャンはレッドフラッグが認められる急性腰痛患者の評価に推奨するが、妊娠中は禁忌である(確証度C)。13:サーモグラフィーは急性腰痛患者の評価に推奨できない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■13:椎間板造影(ディスコグラフィー)は侵襲的な検査である上にその解釈も曖昧なため、急性腰痛患者には推奨できない。他の非侵襲的検査(CT・MRI)を行うことで、椎間板造影による合併症は回避可能である(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■14:腰部椎間板ヘルニアによる神経根障害が疑われる患者に対するCTディスコグラフィーは、合併症のリスクが増大するために他の画像検査(CT、MRI)以上には推奨できない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■15:鍼筋電図(EMG)とH反射は腰痛の有無に関わらず下肢症状が1ヶ月以上続く患者の神経機能障害の査定に有益と考えられる(確証度C)。16:理学検査で神経根症状の存在が明白なら電気生理学的検査は推奨しない(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■17:急性腰痛患者の評価に体表EMG(筋電図)とF波テストは推奨できない(確証度C)。18:SEPs(脊髄誘発電位)は脊柱管狭窄症と脊髄ミエロパシーが疑われる場合の評価に有用と考えられる確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■19:心理的・社会的・経済的因子は腰痛発症と治療成績に大きな影響を与える(確証度D)。20:レッドフラッグがないのに日常生活が困難な場合、検査や治療を追加する前に非現実的な期待や心理社会的因子を検討する(確証度D)。http://1.usa.gov/uhlYSO


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-25-

■6:疼痛図表(pain drawing)や可視疼痛計測表(visual analog scale)は病歴聴取に利用可能である(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■7:SLR(下肢伸展挙上)テストは若年成人の坐骨神経痛の評価に推奨されるが、脊柱管狭窄を有する高齢患者ではSLRが正常となる可能性がある(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■8:神経障害の有無の判定には、アキレス腱反射・膝蓋腱反射・母趾の背屈筋力テスト・知覚異常領域の確認といった神経学テストが推奨される(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■【画像検査】1:単純X線撮影は、最近の重度外傷(全年齢)・最近の軽度外傷(50歳以上)・長期のステロイド服用・骨粗鬆症・70歳以上というレッドフラッグがなければ、1ヶ月以内の急性腰痛の検査として推奨しない(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■2:腰椎の単純X線撮影は、最近の重度外傷(全年齢)・最近の軽度外傷(50歳以上)・長期のステロイド服用・骨粗鬆症・70歳以上というレッドフラッグがある場合、骨折を除外するために推奨する(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■3:単純X線検査にCBCとESRの併用は、がんや感染症の既往・37.8℃以上の発熱・静注薬の乱用・長期のステロイド服用・安静臥床で悪化する腰痛・原因不明の体重減少が存在する場合、腫瘍と感染症の鑑別に有効(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■4:腫瘍や感染症を疑わせるレッドフラッグ(危険信号)が存在する場合、単純X線撮影で異常所見がなくても骨スキャン、CT、MRIが必要となる可能性がある(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■5:斜方向からの腰椎単純X線撮影を日常的に行うことは、放射線被曝の影響を考えれば成人には推奨できない(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■6:馬尾症候群や進行性の筋力低下のある患者は緊急手術が必要となる可能性があるため、CT・MRI・ミエログラフィー・CT-ミエログラフィーの緊急検査を推奨する。緊急検査の実施は外科医と相談して決定すべき。(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■7:脊椎腫瘍・感染・骨折・その他の占拠性病変の存在が強く疑われる場合は、CT・MRI・ミエログラフィー・CT-ミエログラフィーによる検査を実施することが推奨される(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-24-

■(4)腰痛の研究機関が増加してきたために、一般的に行なわれている腰痛治療の体系的評価が可能となった。現存する科学論文には欠点があるものの、現在行なわれている治療法の有効性と安全性に関する結論には充分な科学的根拠がある。http://1.usa.gov/uhlYSO

■『成人の急性腰痛診療ガイドライン』作成委員会は、医師、カイロプラクター、看護師、理学療法士、作業療法士、および患者の代表などで構成され、腰痛とは下肢痛を含む腰に関する症状で活動障害があるもの、急性とは3ヶ月以内と定義。http://1.usa.gov/uhlYSO

■『成人の急性腰痛診療ガイドライン』では科学的事実を次の4段階に分類している。A:強力な事実に即した根拠(多数の質の高い科学的研究)。B:中等度の事実に即した根拠(1件の質の高い科学的研究か多数の妥当な科学的研究)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■C:限られた事実に即した根拠(腰痛患者に関する1件以上の妥当な科学的研究)。D:事実に即した研究としては基準を満たさないと判断した研究)。しかし腰痛に関するRCTは全体の0.2%しかないため「A」の科学的事実は存在しない。http://amzn.to/vjHaRg

■AHCPR(アメリカ医療政策研究局)が作成した『成人の急性腰痛診療ガイドライン』では急性腰痛の診断について【初期評価】【画像検査】【その他の検査】ごとにエビデンスレベル(科学的根拠の確証度)を明記して勧告を出している。http://1.usa.gov/uhlYSO

■【初期評価】1:患者の年令、症状の内容とその期間、仕事や日常生活への影響、過去の治療に対する反応は腰痛の治療にとって重要である(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■2:がんの既往歴、原因不明の体重減少、免疫抑制剤や静注薬物の使用、尿路感染症の既往歴、安静時の疼痛増強と発熱は、がんや感染の可能性を示唆するレッドフラッグ(危険信号)とする。これらは50歳以上の患者で重要(確証度B)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■3:馬尾症候群の徴候である膀胱機能障害やサドル麻痺を伴う下肢の筋力低下は、重大な神経障害を示唆するレッドフラッグ(危険信号)とする(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■4:外傷の既往歴(若年成人の高所からの転落や交通事故、高齢者や骨粗鬆症患者における転倒や重量物の挙上)は、骨折の可能性を念頭に置く必要がある(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO

■5:心理的・社会経済的問題などの非身体的因子は、腰痛の診断と治療を複雑にする可能性があるため、初期評価の段階で患者の心理的・社会経済的問題に注意を向けることが推奨される(確証度C)。http://1.usa.gov/uhlYSO


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-23-

■自動車事故後に慢性疼痛を訴える335名を「他人の過失と認識」群と「他人に過失なし」群に分けて医療記録を比較した結果、前者の自己申告は腰痛や頚部痛の既往歴とは2倍超、心理的問題の既往歴とは7倍超の不一致が確認された。http://1.usa.gov/uq3kw9

■人員削減対策で事業規模を縮小した企業で働く労働者は、仕事量の増加・ストレスの増大・健康状態の悪化・腰痛や筋骨格系疾患の増加・早期死亡リスクの増加といった問題に直面する。http://1.usa.gov/sKSMLp http://1.usa.gov/ujAuSk

■40歳以上の地域住民3,580名を対象にスタチン服用歴と腰部・頚部/上背部・上肢・下肢の疼痛との関連を調査した結果、スタチン服用群の22%が1ヶ所以上の疼痛があったのに対し、非服用群の疼痛は16.7%だったことが判明。http://1.usa.gov/rI7lMd

■スタチンによる副作用が発現した患者650名を対象にした研究によると、関連性を疑ったのは医師ではなく患者だった。筋肉痛では患者86%vs医師14%、神経障害では患者96%vs医師4%、認知障害では患者98%vs医師2%。http://1.usa.gov/tcks8e

■メディアはもっともらしい腰痛予防法を伝えているが、腰痛の原因が解明されなければ有効な予防法を確定することはできない。現時点で大きな障害となっているのは、一般的な非特異的腰痛と特異的腰痛に関する診断基準がないことである。http://1.usa.gov/vsh9up

■1985年~1997年に発表された座業と腰痛に関する論文の体系的レビューによると、座業が腰痛のリスクファクターであるというエビデンスは見出せなかった。座りっぱなしの仕事が腰痛と関連するという世論の裏付けは存在しない。http://1.usa.gov/shb6dx

■従来の腰痛概念に重大な転機が訪れたのは、アメリカ医療政策研究局(AHCPR)が1992年までに発表された急性腰痛に関する論文の体系的レビューを実施し『成人の急性腰痛診療ガイドライン』を報告した1994年のことである。http://1.usa.gov/uhlYSO

■AHCPRが『成人の急性腰痛診療ガイドライン』に着手した理由は次の4点。(1)アメリカでは腰痛の罹患率が15~20%と高く、就業不能の原因として挙げられる第1位が腰痛である。http://amzn.to/vrNNX9 http://1.usa.gov/rCoRH0

■(2)腰痛はプライマリーケアにかかる患者が訴える2番目に多い症状であり、整形外科医・神経外科・産業医を訪れる最大の理由でもあり、外科手術を受ける3番目に多い疾患でもあることから、経済的・心理社会負担がきわめて大きい。http://1.usa.gov/vfUs5A

■(3)腰痛による活動障害のある患者の大部分は臨床転帰を改善させる有効な診断と治療を受けていないという科学的根拠が増加中。http://1.usa.gov/skKUsb http://1.usa.gov/ta2GAI http://1.usa.gov/sWhMm0


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-22-

■椎間板変性疾患というレッテルは科学的根拠のある診断名ではない。椎間板に異常があってもほとんどの患者は手術をしなくても回復するため、手術は優先順位の低い選択肢と考えて保存療法で症状が改善しないごく一部の患者に限定すべき。http://1.usa.gov/sJxrHg

■一般住民3,529名を対象にマルチスライスCTで腰部の椎間関節症(OA)と腰痛との関連を調査した結果、椎間関節症の検出率は年齢とともに上昇したものの、いずれの椎間レベルにおいても腰痛との間に関連は見出せなかった。http://1.usa.gov/ucUd13

■慢性筋骨格系疼痛・うつ病・不安障害の間には強い関連がある。精神疾患の併存は過去3ヶ月の活動障害日数と関連し、疼痛のみでは18.1日、疼痛+不安障害は32.2日、疼痛+うつ病は38日、疼痛+うつ病+不安障害は42.6日。http://1.usa.gov/vndBSW

■慢性筋骨格系疼痛にうつ病と不安障害が併存する患者は疼痛の重症度が最も高い。一部の医師は疼痛の治療によってうつ病や不安障害も改善すると信じているが、もし医師が疼痛の治療だけに集中すれば誤診と過少治療に繋がる可能性がある。http://1.usa.gov/vndBSW

■WHOの心理的問題に関するデータを用いて14ヶ国の患者25,916名を分析した結果、プライマリケアを訪れるうつ病患者の約70%は身体症状を主訴として受診しており、最も一般的な症状は疼痛に関連するものであることが判明。http://1.usa.gov/vztifY

■農業従事者1,221名と非従事者1,130名を対象にした前向きコホート研究では、腰への負担が大きいほど腰痛発症率が低下。腰痛の原因は「摩耗・損傷モデル」では説明不可能。腰の健康を保ちたいなら肉体労働を恐れてはならない。http://1.usa.gov/uk4Nk9

■欧州リウマチ学会の特別委員会が行なった筋骨格系疾患と心理社会的因子に関する文献調査によると、多くの研究において心理社会的因子は力学的因子より筋骨格系の疼痛発症とその後の経過に大きな影響を与える強力な予測因子であることが判明。http://bit.ly/rOaNa8

■WHO欧州地域事務局は明確な根拠のある事実から『健康の社会的決定要因』として「社会格差」「ストレス」「幼少期」「社会的排除」「労働」「失業」「社会的支援」「薬物依存」「食品」「交通」を挙げて健康政策の重要性を強調している。http://bit.ly/fiYwI9

■1958年の英国出生前向きコホート研究のデータから社会経済的状況と成人期の筋骨格系疾患の関連を調査した結果、社会経済的地位が低いと腰痛・肩痛・腕痛・膝痛だけでなく全身の筋骨格系疼痛の発症率が高くなる傾向にあることが判明。http://bit.ly/t6KS0C

■自動車事故後に慢性疼痛を訴える335名を対象にした多施設共同研究によると、患者の48%が腰痛の既往歴を、42%が頚部痛の既往歴を、76%が共存症の既往歴を申告しなかったことから、事故直後の病歴聴取の妥当性は低いと判明。http://1.usa.gov/uq3kw9


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-21-

■画像検査実施率の上昇は、7年間で硬膜外(腰部・仙骨)ブロックの医療費が629%増加したこと、および10年間で椎間関節ブックの医療費が543%増加したことと明らかに関連。http://1.usa.gov/sESMNX http://1.usa.gov/sB7pOe

■腰痛疾患に対するオピオイド(麻薬系鎮痛剤)投与は増加傾向にあるが、オピオイドに関連する死亡者数は5年間で160%増加し、ヘロインとコカインによる総死亡者数を上回っている。http://1.usa.gov/tWT5d4 http://1.usa.gov/ahierm

■この10年で慢性腰痛の画像検査と治療の実施率が急上昇。硬膜外ブロックが629%、オピオイド投与が423%、MRIが307%、脊椎固定術が220%増加したものの治療成績に改善は認められない。不適切な過剰診療は控えるべき。http://1.usa.gov/uvRl1n

■腰痛の予防法に関する20件のランダム化比較試験を分析した結果、腰痛ベルト・靴の中敷き・人間工学的介入・重量物挙上軽減教育に効果はなく、運動療法のみが腰痛とそれによる欠勤を予防できるという強力かつ一貫性のある証拠を発見。http://1.usa.gov/vi52lt

■1966年~1993年の間に発表された腰痛予防に関する64件のランダム化比較試験(RCT)を分析した体系的レビューによると、運動に予防効果はあるものの、正しい物の持ち上げ方の教育・コルセット・禁煙・減量は無効であることが判明。http://1.usa.gov/rUhxaG

■職場における腰痛の予防をテーマにしたランダム化比較試験(RCT)を分析した体系的レビューによると、職場での運動は腰痛の予防に効果的だったが、コルセット(サポートベルト)や生体力学に基づく教育的介入は腰痛を予防できないことが判明。http://1.usa.gov/sJTnPJ

■頚部痛と腰痛の予防をテーマにした27件の比較試験を分析した体系的レビューによると、教育的介入(腰痛教室)、コルセット、人間工学的介入、危険因子の修正に予防効果は確認できなかったものの、運動だけがその有効性を証明できた。http://1.usa.gov/sQ19b6

■職場における腰痛予防に関する31件の比較試験を分析した体系的レビューによると、運動は腰痛による欠勤、医療費、発症率を減少させ、従業員の腰痛予防に有効であることが判明すると同時に、集学的介入には疼痛軽減効果が確認された。http://1.usa.gov/savytC

■荷役作業従事者の腰痛予防をテーマにしたランダム化比較試験とコホート研究を分析した体系的レビューによると、重量物の持ち上げ方に関するアドバイスやサポートベルトに腰痛予防効果はなく腰痛による活動障害も欠勤も減少せずと結論。http://1.usa.gov/sDGpce

■腰痛予防に関する体系的レビューの結果、柔軟体操、ウイリアム体操、マッケンジー法などの運動療法には筋力・持久力・柔軟性向上以上の利点があり、動作や活動に対する自信、損傷に対する恐怖心、疼痛の捉え方を変化させる可能性あり。http://1.usa.gov/vi52lt


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-20-

■米国ではCTやMRIによる画像検査は5年間で43%増加し、PETスキャンに至っては4年間で3倍に増加。民間の大手保険会社はこうした医療費の高騰を抑えるために放射線ベネフィットマネージャーを使って医療調査を開始した。http://on.wsj.com/uhkJdN

■NCRP(米国放射線防護審議会)によると、2006年に米国民が被曝した放射線量は1980年代初頭の7倍に達した。主な原因はCTや核医学検査の増加によるもので、これらの画像検査による放射線被曝は医療被曝全体の75%を占める。http://bit.ly/tyisnE

■医療行為の中で必要のない画像検査が行なわれているのは事実。CTによる放射線被曝だけでも米国で発症するがんの2%の原因になっている。リスクとベネフィットを考えると不適切なCTやX線撮影を制限することで生命を救える可能性がある。http://bit.ly/hyDov1

■日本の原爆被爆者データベースから先進15ヶ国の画像検査による放射線被曝量と発がんリスクを推計した結果、検査回数も発がんリスクも日本が世界一であることが判明。全がん患者の4.4%(約1万人)が画像検査に起因している可能性あり。http://1.usa.gov/blSDtG

■1回の全身CTによる放射線被曝量は、広島・長崎の爆心地から3.2キロの地点で被爆した生存者とほぼ同じで、がんによる死亡リスクが増加するのは明らか。CTの保有台数は日本が世界一でアメリカの7倍、イギリスの16倍にも達している。http://bit.ly/hyDov1

レッドフラッグのない腰痛患者に対するルーチンな早期画像検査にメリットのないことは明らかだが、それを一人の患者に説明するのに30~45分かかるために診療スケジュールが大混乱する。時は金なりが過剰な画像検査の最大の理由。http://1.usa.gov/rpcVg2

■ガイドラインの勧告を無視した根拠のない不適切な診断と治療が急増している。慢性腰痛に対してメディケアが支出した医療費は、硬膜外ブロックが629%増、オピオイド投与が423%増、MRIが307%増、脊椎固定術が220%増。http://1.usa.gov/uvRl1n

■大手民間保険会社の2000年~2004年までのデータを分析した結果、MRIとCTの実施率は50%以上増加し、PETは400%も増加していたことが判明。費用のかかる高度な画像検査は診療ガイドラインに基づいて行なうべき。http://1.usa.gov/tT81mY

■1991年~2002年までのメディケア受給者を調査した結果、腰痛患者(132%増)の医療費は387%増加し、ブロック注射の費用は59%、MRIとCTの費用は42%増加。レッドフラッグのない61%がMRIを受けていた。http://1.usa.gov/tWSnmN

■306ヶ所の医療機関からメディケア受給者をランダムに抽出して分析した結果、CTとMRIの実施率は地域によって異なっており、画像検査実施率が最も高い地域は手術実施率も最も高いことが判明。画像検査の妥当性には疑問がある。http://1.usa.gov/u160QN


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-19-

■小児期に体験した不幸な出来事(交通事故による入院・親の死亡・両親の離婚・親のアルコール依存・貧困家庭)が壮年期における広範囲な慢性疼痛の予測因子であることが判明。トラウマとなるような体験は慢性疼痛の発症と重症度に関連。http://1.usa.gov/nePOkk

■小児期に虐待(身体的・精神的・性的)やネグレクト(育児放棄)を経験した者は、それらを経験していない者より成人してから慢性疼痛を訴える傾向があることがメタ分析によって明らかとなる。虐待は慢性疼痛のリスクファクターである。http://1.usa.gov/nqfkEH

■過去の不幸な出来事は明らかに慢性腰痛の危険因子ではあるが、両者間にU字曲線が見られたことから軽度の逆境体験は保護的に働く可能性が浮上。軽度の逆境体験者は慢性腰痛による疼痛障害が小さく医療の利用率も低いことが判明。http://1.usa.gov/ol0hCX

■腰下肢痛患者に対する早期画像検査(X線・CT・MRI)の有効性に関するRCTを詳細に分析した結果、レッドフラッグのない患者に画像検査を行なっても臨床転帰は改善しないことが判明。医師は腰下肢痛患者の画像検査を控えるべき。http://1.usa.gov/rpcVg2

■腰痛患者101例を早期X線撮影群と教育的介入群に割り付けたRCTの結果、両群間の重篤疾患・改善率・機能障害・満足度に差は認められなかったことから、患者の不安・不満・機能障害を招かずにX線撮影をやめて医療費の削減は可能。http://1.usa.gov/qlCXOP

■腰痛患者782名を対象としたMRIかCTを早期に使用した場合の臨床転帰と費用対効果に関するRCTでは、早期画像検査による臨床転帰の改善は認められず費用対効果が低いことが判明。X線撮影だけでなくMRIやCTも役立たない。http://1.usa.gov/s0OkVE

■腰痛患者380名をX線撮影群とMRI群に割り付けて臨床転帰を比較したランダム化比較試験によると、両群間の活動障害・改善率・再発頻度などに差は認められなかった。医師も患者もMRIを好むが手術件数が増えて医療費が高騰する。http://1.usa.gov/sxB3et

■腰痛患者421名を対象に腰部X線撮影群と非撮影群を9ヶ月間追跡したRCTによると、両群間の治療成績に差は認められなかったものの、X線撮影群は治療への満足度が高かった。医師はX線撮影に頼らず満足度の向上を目指すべき。http://1.usa.gov/uLyME9

■腰痛患者659名をX線撮影群と非撮影群に割り付けて1年間追跡したランダム化比較試験の結果、両群間の身体機能・疼痛・活動障害の改善率に差は認められなかった。ガイドラインは腰痛患者の腰部X線撮影を避けるよう勧告している。http://1.usa.gov/rrG6so

■腰下肢痛患者246名を対象にMRI所見と保存療法の治療成績について2年間追跡した結果、椎間板ヘルニアは腰痛患者の57%、下肢痛患者の65%に検出されたものの、治療成績とヘルニアのタイプ、大きさ、活動障害は無関係だった。http://1.usa.gov/tZmk9p


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-18-

■脊椎固定術を受けた労災患者と保存療法を受けた患者を比較した後ろ向きコホート研究によると、椎間板変性、椎間板ヘルニア、神経根障害と診断された労災患者の固定術は、活動障害、オピオイドの使用、長期欠勤、復職困難を増加させる。http://1.usa.gov/dukXZa

■脊椎固定術を受けた783名の中から労災患者60名の転帰を調べた結果、2年後の改善率は活動障害が19%、健康状態が16%でしかなく、疼痛スコアもかなり高かったことから、労災患者に対する脊椎固定術は危険な賭けでしかない。http://1.usa.gov/rfDCbl

■脊椎固定術を受けた労災患者1950名を対象とした後ろ向きコホート研究によると、術後2年後の活動障害は63.9%、再手術率は22%、合併症は11.8%に認められた。長期活動障害の予測因子は心理社会的因子であることが判明。http://1.usa.gov/puf71g

■脊椎固定術を受けた労災患者185名を対象とした後ろ向きコホート研究によると、41%がQOLに変化がないか悪化した。再手術率は24%、長期活動障害率は25%、癒合率は74%。転帰不良の予測因子は心理・社会・経済的因子。http://1.usa.gov/o59zzE

■画像検査、ブロック注射、オピオイド投与、手術実施率が上昇しているにも関わらず、脊椎疾患は雪ダルマ式に膨れ上がっている。ことに慢性腰痛の発症率が上昇しているのは深刻な問題。http://1.usa.gov/q4khKD http://1.usa.gov/px009V

■2001年以降、疼痛を脈拍・体温・呼吸数・血圧に次ぐ5番目のバイタルサインとして日常的に評価しようとする動きがある。しかし、腰痛疾患を対象とした場合は、医療の対象化・過剰検査・過剰治療という悪影響を生じる可能性が高い。http://1.usa.gov/rpSmeO

■退役軍人医療センターで疼痛評価を導入する前後の臨床転帰を比較した結果、疼痛を5番目のバイタルサインとして日常的に評価しても疼痛治療の質は向上しなかった。疼痛評価が臨床転帰に影響を与えるというエビデンスはほとんどない。http://1.usa.gov/pYo6OL

■疼痛を5番目のバイタルサインとして数値化することでいくつかの問題点が浮上している。このプログラムを導入したことによって術後患者に対する鎮痛薬の過剰投与が生じ、疼痛は完全に除去すべきという方向へ振り子が大きく揺れた。http://1.usa.gov/mUGmFr

■疼痛を5番目のバイタルサインとして日常的に数値化する方法をがんセンターで採用した結果、患者の満足度は向上したものの、オピオイドによる副作用が2倍以上に増加した。疼痛を最重要視するのは患者の生命を危険にさらすことになる。http://1.usa.gov/rpRyjj

■疼痛を5番目のバイタルサインとして疼痛スケールで評価すると、薬の過剰投与に気づかないばかりか投与不足を過度に強調してしまう。このバランスの悪さが鎮静剤と麻薬のさらなる過剰投与を招き、患者の死亡や活動障害の原因となる。http://1.usa.gov/nRF75X


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-17-

■腰部椎間板切除術を受けた患者45名の治療成績に影響を与える因子を分析した結果、職場復帰状況は画像所見や臨床症状とは無関係で、心理的因子(抑うつ)と職業上の心理社会的因子(職場での心理的ストレス)の影響が強いことを確認。http://1.usa.gov/osP4XY

■椎間板ヘルニアと診断された腰下肢痛患者46名と健常者46名をMRIで比較した結果、症状の有無は職業上の問題(心理的ストレス・集中力・満足度・失業)と心理社会的問題(不安・抑うつ・欲求不満・夫婦関係)の影響が大きい。http://1.usa.gov/q8PXfR

■腰痛のない大学生25名を対象に腰への負担に対する心理テストと性格特性の影響力を調べた結果、心理的ストレスは単独で腰痛の原因になり得るだけでなく、内向型と直感型の性格特性は心理的ストレスによって腰痛発症リスクが増大する。http://1.usa.gov/pD9Tsn

■イギリスの腰痛診療ガイドラインは心理社会的因子について次の4つの事実を指摘している。(1)心理社会的因子は治療とリハビリテーションの成績に影響を与える。(2)心理社会的因子は自覚症状や他覚所見よりも慢性化の危険因子である。http://bit.ly/nfz2B2

■(3)心理社会的因子は慢性腰痛や活動障害において重要な意味を持つ。(4)心理社会的因子はこれまで考えられていたよりもはるかに早い段階で重要な意味を持つ。ゆえに、患者の心理的・職業的・社会経済的因子に目を向ける必要がある。http://bit.ly/nfz2B2

■椎間板ヘルニアと診断された下肢痛患者328名をチュブラーレトラクター椎間板摘出術群(新開発の低侵襲手術)と標準的顕微鏡下椎間板摘出群に割り付けたRCTによると、疼痛改善率はチュブラー手術群より顕微鏡手術群の方が優れていた。http://bit.ly/roIaXm

■また1年後の回復状況を良と評価した患者はチュブラー手術群が69%で顕微鏡手術群が79%、合併症はチュブラー手術群の方が多く、再発や再手術は顕微鏡手術群の方が多かった。新開発の手術法が優れているとはいえない。術式の動画⇒http://bit.ly/oePnPC

■50~94歳の1407名を対象に骨密度とX線撮影で脊柱後湾(亀背)を調査した結果、椎体骨折のある方が後湾は強かったが多くの後湾に骨折は認められなかった。高度後湾の場合でも椎体骨折や骨粗鬆症は確認できなかった。原因不明。http://1.usa.gov/rqzVF3

■脊柱の高度後湾(亀背)は高齢者の20~40%に見られると推計されるが、診断基準もなければ原因も転帰も明らかでない。一部の医師は骨粗鬆症による椎体骨折が原因と考えているものの、その多くは椎体骨折が認められない。原因不明。http://1.usa.gov/qg78r6

■脊柱の高度後湾は高齢者の不健康と関連がある。したがって高度後湾を老年期症候群、すなわち人体の複数のシステムが障害され、その影響が蓄積されて環境の変化への対応が難しくなると発症する、多因子性の病態と認識すべきである。http://1.usa.gov/oJiu2h


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-16-

■腰痛患者520名を対象に診療ガイドラインに従った治療群と従来の治療群の治癒率、再発率、満足度、医療費を1年間追跡して比較した研究によると、従来の治療群よりガイドライン群の方がすべての面でかなり優れていることが判明。http://1.usa.gov/reNbPT

■ありふれた症状を訴える患者200名をプラス思考で接した治療群と無治療群、マイナス思考で接した治療群と無治療群に割りつけたRCTによると、2週間後の改善率は治療の有無に関わらずプラス思考で接した群の方がはるかに高かった。http://1.usa.gov/qJyVdX

■患者に不安や恐怖を与えると間違いなく痛みが増幅する。このノーシーボ効果は想像以上に強力で、ヴードゥー死、タブー死、ノスタルジー死で証明されているように命に関わることさえある。http://1.usa.gov/nCm2wd http://amzn.to/pXA5WR

■腰痛で長期欠勤している患者975名を3年間追跡したRCTによると、200日後の復職率は教育プログラム(従来の常識はすべて忘れて怖がるなという指導)群が70%だったのに対して、標準的治療群はわずか40%でしかなかった。http://1.usa.gov/mUEwJH

■腰痛患者161名を時代遅れの小冊子群と新たな腰痛概念に基づく小冊子群に割り付けて1年間追跡したRCTによると、新たな小冊子群は動作恐怖が低下すると共に回復が早いことが判明。従来の考え方を改めるのは有効な治療法である。http://1.usa.gov/mP29eM

■オーストラリアのビクトリア州で「腰痛に屈するな」という大規模なメディアキャンペーンを実施し、近隣のニューサウスウェールズ州と比較した結果、次の4点が明らかとなった。http://1.usa.gov/mQ628O http://1.usa.gov/qTkwry

■(1)キャンペーン群では腰痛患者の動作恐怖スコアが改善した。(2)キャンペーン群では腰痛による欠勤日数が減少した。(3)キャンペーン群の労災申請件数は15%減少した。http://1.usa.gov/mQ628O http://1.usa.gov/qTkwry

■(4)キャンペーン群の医療費は20%減少した。すなわち、正しい情報提供だけで33億円を超える経費(労災補償費と医療費)を削減できたのである。日本でできないはずがない。http://1.usa.gov/mQ628O http://1.usa.gov/qTkwry

■椎間板ヘルニアに対する手術に関する論文81件を厳密に検討した結果、椎間板ヘルニアの手術成績は短期的に見れば良好だが長期的に見れば保存療法とほとんど変わりがなく、心理社会的因子の影響を強く受けていることが確認された。http://1.usa.gov/q1HPOA

■腰下肢痛を訴える椎間板ヘルニア患者84名を対象に、画像所見、理学所見、心理テスト(MMPI)と手術成績との関係を調べた結果、手術成績と最も関係が深かったのは、画像所見でも理学所見でもなく心理テストだったことが判明。http://1.usa.gov/qMXXcm


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-15-

■(5)椎間板摘出術は比較的安全な治療法とされているが、これまで考えられていた以上に再手術を必要とする例が多い。(6)椎間板ヘルニアに対する手術成績は、心理社会的因子の影響を強く受けている。http://1.usa.gov/q1HPOA

■椎間板摘出術が予定されていた腰下肢痛患者84名の治療成績を、神経学的所見、SLR、画像所見、心理テストの4項目で比較した結果、治療成績と最も関係が深かったのは、理学所見や画像所見ではなく心理テストだったことが判明。http://1.usa.gov/qMXXcm

■椎間板摘出術を受けた患者46名を2年間にわたって追跡調査した結果、職場復帰には心理的因子(抑うつ状態)と職業上の心理社会的因子(職場での精神的ストレス)が深く関与していて、画像所見や臨床症状は無関係であることが判明。http://1.usa.gov/osP4XY

■腰下肢痛を訴える椎間板ヘルニア患者69名を対象に、椎弓切除術群と椎弓切除術+固定術群の術後成績を3年間追跡したRCTによると、優または良と評価できた割合は椎弓切除術群が71%で椎弓切除術+固定術群が53%だった。http://1.usa.gov/pNHEa3

■脊柱管狭窄を伴う変性辷り症患者76名を対象に、器具固定群と骨移植固定群の術後成績を2年間追跡したRCTによると、器具固定によって骨癒合率の向上は認められるものの、それが必ずしも臨床症状の改善に結びつかないことが判明。http://1.usa.gov/nfQM86

■慢性腰痛を訴える変性辷り症患者130名を対象に、器具固定群と骨移植固定群の術後成績を2年間追跡したRCTによると、骨癒合率と満足度に差はないが器具固定群は手術時間、出血量、再手術率を増大させ、深刻な神経損傷を招く危険性大。http://1.usa.gov/rd6vMx

■分離辷り症患者44名を対象に、PLF(腰椎後側方固定術)群とPLIF(後方侵入腰椎椎体間固定術)群の術後成績を2年間追跡したRCTによると、複雑で大がかりなPLIFよりも比較的単純なPLFの方が成績は良いことが判明。http://1.usa.gov/oW84Rp

■脊椎固定術に関する論文47件を厳密に検討した結果、優または良と評価できたのは平均68%だったが、論文によっては15%~95%の開きがあり、研究デザインにも不備があるため脊椎固定術の有効性を示す証拠は見つけられなかった。http://1.usa.gov/pdP0Eg

■脊柱管狭窄症と診断された腰下肢痛患者88名を対象に減圧椎弓切除術の成績を6年間追跡した結果、1年後の改善率は89%だったが6年後には57%に低下し17%は再手術を受けていたことから、これまで報告されていた成績より悪い。http://1.usa.gov/qEMqae

■脊柱管狭窄症への減圧椎弓切除術に関する論文74件を厳密に検討した結果、優または良と評価できたのは平均64%だったが、論文によっては26%~100%もの開きがあり、研究デザインにも不備が多いためその有効性は証明できない。http://1.usa.gov/qO1nB3


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-14-

■慢性腰痛患者97名を対象に椎間関節ブロックの有効性を6ヶ月間追跡したRCTによると、プラシーボ(生理食塩水)群とステロイド群の改善率に差は認められなかった。慢性腰痛に対する椎間関節ブロックに効果はないことが判明。http://1.usa.gov/qTsRmP

■慢性腰痛患者109名を対象に椎間関節ブロックの有効性を3ヶ月間追跡したRCTによると、椎間関節ブロック群、椎間関節周囲ブロック群、プラシーボ(生理食塩水)群の改善率に差は認められないことから心理社会的因子が影響と結論。http://1.usa.gov/pFTonQ

■椎間関節症候群への注射療法に関する論文を厳密に分析した結果、椎間関節内へのプラシーボ(生理食塩水)注射は、ステロイド剤や局所麻酔剤と同等の改善効果があることから、椎間関節症候群という病名自体が神話の可能性がある。http://1.usa.gov/nVAtNd

■坐骨神経痛を訴える椎間板ヘルニア患者60名を対象に、ラブ法群と顕微鏡下髄核摘出術群の術後成績を1年間追跡したRCTによると、術中の出血量、合併症、入院日数、欠勤日数、改善率など、いずれも両群の間に差は認められない。http://1.usa.gov/p43qmF

■腰下肢痛を訴える椎間板ヘルニア患者52名を対象に、ラブ法群とキモパパイン注入群の術後成績を1年間追跡したRCTによると、ラブ法群は85%でキモパパイン群は46%の改善率だった。腰痛の改善率も特にラブ法群が優れていた。http://1.usa.gov/ofd8E8

■坐骨神経痛を訴える椎間板ヘルニア患者141名を対象に、キモパパイン注入群と経皮的髄核摘出術群の術後成績を1年間追跡したRCTによると、6ヶ月後と1年後のどの時点においても改善率はキモパパイン注入群の方が優れていた。http://1.usa.gov/n4KLZQ

■坐骨神経痛を訴える椎間板ヘルニア患者126名を対象に、保存療法群とラブ法群の治療成績を10年間追跡したRCTによると、1年目まではラブ法群が優れていたが4年目以降は両群間に差はなくなっていた。長期成績は両群とも同じ。http://1.usa.gov/pbjVPJ

■椎間板ヘルニアに対する手術に関する論文81件を分析した結果次の6点が判明した。(1)椎間板ヘルニアが確認された2ヶ月間の保存療法に反応しない坐骨神経痛患者はそのまま保存療法を続けるよりラブ法を実施した方が早く改善する。http://1.usa.gov/q1HPOA

■椎間板ヘルニアに対する手術に関する論文81件を分析した結果次の6点が判明した。(1)椎間板ヘルニアが確認された2ヶ月間の保存療法に反応しない坐骨神経痛患者はそのまま保存療法を続けるよりラブ法を実施した方が早く改善する。http://1.usa.gov/q1HPOA

■(2)4年~10年の長期成績という観点から見るとラブ法と保存療法の効果に差は認められない。(3)顕微鏡下髄核摘出術と経皮的髄核摘出術が腰痛に効果があるという証拠はない。(4)経皮的髄核摘出術はラブ法より再手術率が高い。http://1.usa.gov/q1HPOA


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-13-

■腰痛患者144名と健常者138名を対象に骨盤の歪みを厳密に測定して腰痛との関連を調べた結果、どのような臨床的意義においても骨盤の非対称性と腰痛は関連していないことが判明。骨盤の歪みが腰痛の原因というのは迷信に過ぎない。http://t.co/iEvQzim

■18~40歳までの急性腰痛患者を対象に4週間追跡したRCTによると、モビリゼーション群とマニピュレーション群の改善率は4週間後には差がなくなるものの、マニピュレーション群は最初の1週間で急速に改善することが判明。http://t.co/xSdw3w4

■腰痛に対する脊椎マニピュレーションに関する論文58件をメタ分析した結果、3週間以内に腰痛が回復する確率は50~67%だった。慢性腰痛に対する効果は不明としながらも、急性の非特異的腰痛には一時的な効果があることが判明。http://t.co/R9DMmIJ

■腰痛に対する脊椎マニピュレーションに関する37件のRCTを吟味した体系的レビューでは、研究デザインに不備があるために正確な評価は困難で、腰痛に対する有効性は科学的に証明できないが、たしかにある患者には効果がある。http://t.co/CwMdT89

■1911年~1991年に発表された脊椎マニピュレーション後に馬尾症候群が生じた29例を詳細に分析した結果、重度あるいは進行性の神経障害にマニピュレーションは行なうべきでないが、症状が悪化する可能性はきわめて低い。http://1.usa.gov/qsCsK1

■腰下肢痛患者を対象に脊椎マニピュレーション群、骨盤牽引群、スクレロサント(組織硬化剤)注射群、ステロイド注射群に割り付けたRCTによると、1ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後のどの時点でも4群間の改善率に差は認められない。http://1.usa.gov/qjUTqL

■椎間板ヘルニアか脊柱管狭窄症と診断された腰下肢痛患者73名を対象とした硬膜外ブックに関するRCTによると、ステロイド剤+局所麻酔剤群と生理食塩水+局所麻酔剤群の間に改善率の差は認められなかった。ステロイド注射は無効?http://1.usa.gov/qAFypS

■腰下肢痛患者に対する硬膜外ステロイド注射に関する12件のRCTをレビューした結果、硬膜外ステロイド注射の効果は明確ではないものの、神経根症状を伴う急性腰下肢痛に限っていえば一時的な効果は望める可能性がある。http://1.usa.gov/okMOHg

■筋筋膜性疼痛症候群患者53名に対するトリガーポイント注射に関するRCTによると、局所麻酔剤群とプラシーボ(生理食塩水)群の疼痛改善率に差が認められなかったことから、効果が同じなら副作用のない生理食塩水を使うべきと結論。http://1.usa.gov/qPLsdU

■腰痛患者63名を4群に割り付けてトリガーポイント注射の有効性を調べたRCTによると、疼痛改善率は鍼治療群や冷却スプレー+虚血圧迫群より、トリガーポイント注射(局所麻酔剤・局所麻酔剤+ステロイド)群の方が低いことが判明。http://1.usa.gov/nTBSuI


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-12-

■腰痛に対する運動療法をテーマとした11件のRCTをレビューした結果、急性腰痛(6週未満)に有効な運動療法は存在しないものの、亜急性腰痛(6週~3ヶ月未満)や慢性腰痛(3ヶ月以上)には運動療法が有効であることが判明。http://1.usa.gov/qL98sH

■腰痛患者109名をオステオパシー(脊椎療法)群、ジアテルミー群、シャム(見せかけのジアテルミー)群に割り付けたRCTによると、3群間に改善率の差は認められなかったことから、オステオパシーもジアテルミーもプラシーボ効果。http://1.usa.gov/qPRztD

■慢性腰痛患者20名を低出力レーザー照射群とシャム(見せかけの照射)群に割り付けた上で運動療法を加えた二重盲検ランダム化比較試験によれば、両群間に改善率の差は認められなかった。慢性腰痛に低出力レーザーは効果がない。http://1.usa.gov/ol2sT0

■慢性腰痛患者145名を対象に、TENS(低周波治療)群、シャム(見せかけのTENS)群、ストレッチ+TSNS群、ストレッチ+シャム群に割り付けて2ヶ月間追跡したRCTによると、4群間の疼痛改善率に差は認められなかった。http://1.usa.gov/oyq5KL

■慢性腰痛患者148名を対象に、30分間の理学療法群、1時間のマシンエクササイズ群、1時間の軽いエアロビクス群の3群に割り付けて6ヶ月間追跡したRCTによると、3群間の治療成績に差は認められなかった。http://1.usa.gov/pIbRGU

■腰痛と頚部痛患者256名を対象に、標準的治療群、脊椎療法群、理学療法群、シャム群に割り付けて1年間追跡したRCTでは、標準的治療群とシャム群が最も成績が悪く、脊椎療法群は理学療法群よりわずかに優れていた。http://1.usa.gov/kfFvV6

■慢性腰痛患者66名を対象に、筋電図バイオフィードバック群、シャム(見せかけのバイオフィードバック)群、無治療群に割り付けて効果を実験直後と3ヵ月後に比較した結果、どの時点においても3群間に差は認められなかったhttp://1.usa.gov/qGMSer

■筋骨格系疾患に対する超音波療法に関する123件の論文を吟味した結果、超音波療法が有効だという科学的証拠は確認できなかったことから、超音波療法をはじめとする受け身的な理学療法は、臨床的に何ら影響をおよぼさないと結論。http://t.co/GDqcE8J

■慢性疼痛に対する鍼治療の有効性に関する51件のRCTを吟味した結果、鍼治療の効果はきわめて疑わしいと結論。鍼治療の有効性を主張するにはさらなる臨床試験が必要。いずれにしろ、理学療法の有効性は科学的に証明されていない。http://t.co/rN78mjH

■立ち仕事をしている女性の腰痛患者96名を対象に行なったクロスオーバー試験によると、インソールの使用によって腰痛が緩和したのは44%で、3%は悪化し、51%は変化がなかった。インソールは立ち仕事での腰痛を緩和する可能性。http://t.co/HrLIQ95


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-11-

■頚部痛と腰痛に対する牽引に関する7件のRCT(ランダム化比較試験)をレビュー(批判的に吟味)した結果、どの研究からも牽引の有効性は認められなかった。腰痛や坐骨神経痛に牽引が有効だという証拠は今のところ存在しない。http://1.usa.gov/qeOuDX

■食品流通センター勤務の男性90名を対象に、荷物の持ち上げ方に関する教育群、特注コルセット+教育群、非介入群に割り付けて6ヶ月間追跡したRCTによると、3群間の腰痛発症率と腰痛による欠勤日数に差は認められなかった。http://1.usa.gov/nx51vQ

■空港貨物部勤務の312名を対象に、荷物の持ち上げ方に関する教育群、コルセット+教育群、コルセット群、非介入群に割り付けて6ヶ月間追跡したRCTによると、4群間の腰痛発症率と腰痛による欠勤日数に差は認められなかった。http://1.usa.gov/pAUFtW

■小売店の資材運搬担当者9,377名を対象とした6ヶ月にわたる前向きコホート研究によると、腰部サポートベルト毎日装着群、週1~2日装着群、非装着群の3群を比較した結果、腰痛発症率も労災申請件数も減少しなかった。http://1.usa.gov/q7mNYQ

■腰部コルセットやサポートベルトの装着で腰痛を予防できないのは明確だが、これまで考えられていたように長期間の装着によって腹筋力や背筋力の低下を招く危険はない。腰部コルセットやサポートベルトはリスクもベネフィットもない。http://t.co/gexF0X8

■急性腰痛患者363名を対象に標準的治療群、運動療法群、シャム(疑似治療)群に割り付けて1年間追跡したRCTによると、腰痛による欠勤率は運動療法群が最も高く、シャム群が最も低かった。急性腰痛に対する運動療法は無効。http://1.usa.gov/nZYZXu

■急性腰痛患者186名を対象に2日間の安静臥床群、ストレッチ群、日常生活群に割り付けたRCTによると、ストレッチ群は安静臥床群より欠勤日数が少ないものの日常生活群には及ばないことが判明。急性腰痛の特効薬は日常生活の維持。http://1.usa.gov/mOolz9

■健常者402名を腹筋強化運動+教育プログラム群と教育プログラム群の2群に割り付けて2年間追跡したRCTによると、両群間の腰痛発症率には差が認められなかったことから、腹筋強化運動は腰痛を予防できないことが判明。http://1.usa.gov/p3JqOY

■航空機製造会社に勤務する3020名を対象とした4年以上にわたる前向きコホート研究では、腰の柔軟性を測定することで過去の腰痛歴や将来の腰痛発症率は予測できないことが判明。腰痛疾患に対するストレッチの有効性に疑問あり。http://1.usa.gov/nrEjPB

■ストレッチ運動と筋肉痛やスポーツ外傷に関する7件のRCTを吟味した体系的レビューの結果、運動前後のストレッチ運動では筋肉痛を予防できないし、スポーツの前にストレッチ運動を行なってもスポーツ外傷は予防できないことが判明。http://1.usa.gov/qG7uVT


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-10-

■当初は有効とされていたが比較試験によって無効と判断され医学界が放棄した治療法に関する19件の論文を吟味した結果、その平均有効率は約70%(Excellent40.2%、Good29.6%、Poor30.3%)にも達していた。http://bit.ly/ijxEk5

■1966年~1991年に発表された椎間板ヘルニアに対する脊椎固定術に関する47件の論文をレビューしたところ、脊椎固定術によって優または良と評価できた割合は平均68%だったことが判明。平均70%のプラシーボとほぼ同等。http://1.usa.gov/k4Z0q9

■脊柱管狭窄症に対する減圧椎弓切除術に関する74件の論文をレビューしたところ、減圧椎弓切除術によって優または良と評価できた割合は平均64%だったことが判明。やはりプラシーボの平均有効率70%を超えていない。http://1.usa.gov/k28GnN

■変形性膝関節症患者180名を関節鏡手術群、関節内洗浄群、模擬手術群に割付けたRCTによると、関節鏡手術の成績は2年間にわたって模擬手術と同等だった。プラシーボに過ぎない関節鏡手術にかかる医療費は他に振り向けるべき。http://t.co/TbB5ddK

■27,801名を対象としたアンケート調査から、急性腰痛患者の86.2%は2週間以内に治癒することが判明。この86%という自然治癒率とプラシーボの70%を超えられない治療法は価値がないどころか治癒を妨げていることになる。http://1.usa.gov/kbxBhi

■急性腰痛患者203名を対象に2日間の安静臥床群と7日間の安静臥床群を比較したRCTによると、3週間後の欠勤日数は2日間の安静臥床群の方が45%少なかった。急性腰痛に対する安静臥床は欠勤日数を増やすことが証明される。http://1.usa.gov/jFHMqM

■1966年~1996年に発表された急性腰痛患者に対するアドバイスに関する論文をレビューした結果、安静臥床は効果がないばかりか回復を遅らせるが、日常生活を続けると職場復帰が早く、慢性化を防ぎ、再発率も低下することが判明。http://1.usa.gov/iKlS4V

■安静臥床に関する39件のRCTをレビューした結果、安静臥床によって改善が認められた研究はひとつも存在しない。激痛のために動けない場合は別として、急性腰痛患者が安静に寝ているのは有害で危険な行為。即刻やめさせるべき。http://1.usa.gov/in85AR

■6週間以上持続する腰痛患者151名を対象とした牽引群とシャムトリートメント(擬似牽引)群に割り付けたランダム化比較試験(RCT)によると、3ヵ月後と6ヵ月後のどの時点においても両群間の疼痛軽減率に差は認められなかった。http://1.usa.gov/pbbXCc

■坐骨神経痛患者を対象とした牽引群とシャムトリートメント(擬似牽引)群に割り付けた二重盲検ランダム化比較試験によると、両群の間に疼痛や理学所見の差は認められなかった。腰痛や坐骨神経痛に対して牽引が有効だという証拠はない。http://1.usa.gov/qWLMLj


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-9-

■腰痛患者200名と健常者200名のX線写真を比較した結果、腰痛患者の30%に脊柱側彎症が、1%に前彎過剰が、22%に前彎減少が見られ、健常者の45.5%に脊柱側彎症が、2.5%に前彎過剰が、22%に前彎減少が見られた。http://1.usa.gov/jb0ly3

■腰痛のない25名の大学生を対象に腰椎への物理的負荷に対する心理的ストレスと性格特性の影響力を調べた結果、心理的ストレスは単独で腰痛の原因となり、特に内向型と直感型の性格特性は心理的ストレスで腰痛発症リスクが高くなる。http://1.usa.gov/j5FbjY

■腰のX線撮影による放射線被曝量は、胸の写真に換算すると150回分に相当し、4方向から撮影した場合、卵巣への被曝量は6年~98年間毎日、胸の写真を撮った被曝量に匹敵。http://1.usa.gov/ify8x6 http://1.usa.gov/kjcHDP

■腰痛患者421名をX線撮影群と非撮影群に割り付け、9ヶ月間にわたって追跡調査した結果、非撮影群に比べるとX線撮影群は痛みの持続期間、活動障害、健康状態の成績が悪く、受診回数も多かった。不安や恐怖は治癒を妨げている。http://1.usa.gov/ihdsPJ

■1985年~1995年に発表された腰痛疾患と画像検査に関する論文672件をレビューした結果、画像所見と腰痛との間に関連があるという証拠は見出せなかった。レッドフラッグのない腰痛患者の画像検査は無意味である可能性大。http://1.usa.gov/mwyvVG

■5つの異なる職種の男性149名を対象に、1年間にわたってMRIで腰部を観察した結果、椎間板変性と腰痛との関連はない、職種による異常検出率に差はない、調査期間中に13名が腰痛を発症したがMRI所見に変化はないことが判明。http://1.usa.gov/kx1dpn

■腰痛経験もなくX線所見も異常のないボランティア受刑者50名を対象に、腰部椎間板造影を行なったところ、全例に異常所見が確認された。重大な合併症の危険を冒してまで、侵襲的な椎間板造影を行なうメリットはどこにあるのか? http://1.usa.gov/iUPQWz

■椎間板ヘルニア患者を対象に、CT、脊髄造影、椎間板造影、ミエロCT、ディスコCT、MRIの診断精度を比較した結果、最も高いのはMRIで最も低いのは椎間板造影だった。http://1.usa.gov/kv9ISH http://1.usa.gov/jlyHsd

■坐骨神経痛患者55名と健常者37名を対象に、腰部サーモグラフィーの診断精度を比較した結果、健常者の56~81%に異常所見が確認されたことから、腰下肢痛疾患の診断にサーモグラフィーは役立たないことが判明。http://1.usa.gov/iBgilg

■各国の腰痛診療ガイドラインレッドフラッグのない患者に画像診断をするなと勧告しているが、レッドフラッグは問診と簡単な理学検査で検出できる。しかし完全無欠というわけではない。感度と特異度もしっかり頭に入れておくべき。http://1.usa.gov/mJccsd


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-8-

■発症後1年以内の腰痛患者144名と健常者138名を対象に、骨盤の歪みを厳密に測定して腰痛との関連を調べた研究により、どのような臨床的意義においても、骨盤の非対称性(歪み)と腰痛とは関連していないことが証明されている。http://1.usa.gov/kIBHZm

■港湾労働希望者208名、急性腰痛の港湾労働者207名、慢性腰痛患者200名のX線写真を比較した結果、両群間の異常検出率に差がなかったことから、将来の腰痛発症を予測できず、放射線被曝するX線撮影は雇用者の選別には不適切。http://1.usa.gov/kNXTVG

■明らかに効果がないか、僅かなエビデンスしかない治療法を奨励してはならない。患者や社会の利益を考慮すれば強力なエビデンスのある治療法だけを普及させるべきで、ある方法が他の方法より優れていることを明らかにする研究が必要。http://1.usa.gov/kKuYzg

■椎間板造影は全米で年間20万回以上行なわれている侵襲的検査法だが、10年間にわたる前向きコホート研究によって、椎間板造影は椎間板の変性を加速させていることが判明。最新の技術を用いても椎間板穿刺は椎間板構造を変化させる。http://1.usa.gov/jQIEab

■妊婦54名と非妊婦41名の腰部椎間板をMRIで比較した結果、椎間板異常は妊婦群で53%、非妊婦群で54%、椎間板ヘルニアは妊婦群で9%、非妊婦群で10%、椎間板膨隆は両群とも44%と差がなかったことから、妊娠は安全。http://1.usa.gov/luz28A

■急性腰痛患者200名、慢性腰痛患者200名、健常者200名を対象にX線撮影で仙骨底角を比較した結果、3群間に差はなかったことから、腰部前彎と腰痛とは一切無関係なので、医師は腰部前彎に関するコメントを控えるべきと警告。http://1.usa.gov/jLuOXd

■腰痛のきっかけとなった出来事に関するアンケートの結果、経済的利益が得られる患者の90%がきっかけありと答えたのに対し、利益が得られない患者は33%しかきっかけありと答えなかった。腰痛の67%が自然発症することが判明。http://1.usa.gov/kQrHzi

レッドフラッグがない限り画像検査を行なうなと各国の腰痛ガイドラインが勧告しているが、基準が甘すぎるという議論が勃発。腰痛は予後良好の疾患であり、安静臥床は避けるべきという情報伝達を妨げ、過剰診療に繋がる恐れがあるから。http://1.usa.gov/iBFoXO

■要するに、腰痛患者で重篤疾患が見つかるのは1~5%程度なのに、レッドフラッグの基準を守ると画像検査が増えるということなのだが、稀ではあるもののレッドフラッグをすり抜ける厄介なケースが存在する。となれば、血液検査をより積極的に行なったらどうだろう。費用対効果も優れているように思う。

■この50年間、生体力学に基づく人間工学的アプローチによって腰にかかる負担は大幅に軽減されてきたが、腰痛患者が減少したという証拠は1つも存在しない。それどころか腰痛患者は年々増加し続けている。腰を守ろうとするのは逆効果。http://1.usa.gov/mcgEVI


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-7-

■20~80歳までの腰痛未経験者67名を対象にMRIで腰部椎間板を分析した結果、21~36%に椎間板ヘルニアが、50~79%に椎間板膨隆が、34~93%に椎間板変性が確認されたことから、手術の選択は慎重にすべきと結論。http://1.usa.gov/knGWuH

■20~80歳までの腰痛未経験者98名を対象にMRIで腰部椎間板を分析した結果、少なくとも1ヵ所以上の椎間板膨隆が52%、椎間板突出が27%、椎間板脱出が1%確認されたことから、腰痛下肢痛患者の異常所見は偶然の可能性。http://1.usa.gov/l2kc0U

■椎間板ヘルニアと診断された強い腰下肢痛を訴える患者46名と、年齢、性別、職業などを一致させた健常者46名の腰部椎間板をMRIで比較した結果、健常者の76%に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が確認された。http://1.usa.gov/iN3oKG

■脊椎医療の分野では、腰痛や頚部痛の発症および慢性化に対する社会的影響を過小評価、もしくはほとんど無視してきた。しかし、社会的疼痛は身体的疼痛と同様に無視できない疼痛である。人は社会的な絆に支えられて生きているのだから。http://1.usa.gov/jfBai5

■モルヒネの鎮痛作用に最も関連深いμオピオイド受容体に変異のある被験者を対象にfMRIで分析した結果、社会的疼痛と身体的疼痛は脳の同じ領域(背側前帯状皮質・前部帯状回)が関与している可能性が明らかに。社会的な絆は重要。http://1.usa.gov/jnoVqO

■18~75歳の一般住民6,569名を9年間追跡調査した結果、慢性疼痛および広範囲の疼痛を持つ被験者は、疼痛のない被験者より死亡率が20~30%高かった。早期死亡の主な原因は乳癌と前立腺癌。運動量や食事習慣などが関与? http://1.usa.gov/iYuYJs

■25~74歳の一般住民1,609名を最長14年間追跡調査した結果、広範囲にわたる慢性疼痛を持つ被験者は、疼痛のない被験者より死亡率が高いことが確認された。その死亡率上昇は、喫煙、睡眠障害、身体活動低下と関連していた。http://1.usa.gov/k8QzfA

■腰痛患者100名と健常者100名を対象に腰部X線写真を比較した研究では、両群間の腰仙移行椎、脊椎辷り症、潜在性二分脊椎、変形性脊椎症の検出率に差は認められなかった。画像検査による脊椎の異常所見は本当に腰痛の原因か? http://1.usa.gov/lCMbXb

■腰痛患者200名と健常者200名のX線写真を比較した結果、脊椎辷り症、腰仙移行椎、潜在性二分脊椎、椎間狭小、変形性脊椎症、脊柱側彎症、前彎過剰、前彎減少、骨粗鬆症、シュモール結節、圧迫骨折、骨盤傾斜の検出率に差はない。http://1.usa.gov/jb0ly3

■18~50歳までの腰痛患者807名と健常者936名を対象に、腰部X線撮影で脊椎分離症の検出率を比較した結果、腰痛患者群は9.2%、健常者群は9.7%だった。脊椎分離症が腰下肢痛の原因と考えるのは非論理的ではないのか?http://1.usa.gov/j2Jw5a


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-6-

■腰椎の変形が腰痛の原因でないことは半世紀以上も前から証明されてきた。最も古い対照試験は1953年に実施された腰痛患者100名と健常者100名の腰部X線写真を比較したもので、両群間の変形性脊椎症の検出率に差はなかった。http://1.usa.gov/lCMbXb

■腰痛患者378名と健常者217名の腰部X線写真を比較した研究でも、両群間における変形性脊椎症の検出率に差はなく、加齢と共に増加する傾向が見られることから、変形は正常な老化現象にすぎず、腰痛の原因とは考えられないと結論。http://1.usa.gov/msMFAV

■60歳の一般住民666名を対象に胸椎と腰椎のX線写真を分析した結果、腰痛経験者の58.7%に、未経験者の57.5%に変形性脊椎症が確認されたが、両群間の検出率に差はなかった。老化よる脊椎の変形は腰痛の原因ではない。http://1.usa.gov/kLY3o9

■港湾労働就職希望者208名、急性腰痛を発症した港湾労働者207名、6ヶ月以上続いている慢性腰痛患者200名を対象に、腰部のX線写真の異常検出率を比較した結果、3群間の加齢による異常検出率に差は認められなかった。http://1.usa.gov/jVFqUC

■腰痛患者200名と健常者200名のX線写真を比較した研究によると、両群間に変形性脊椎症、骨粗鬆症、椎体圧迫骨折などの異常検出率に差は認められなかった。したがって老化による解剖学的変化が腰痛の原因とは考えられないと結論。http://1.usa.gov/jb0ly3

■有痛性の骨粗鬆症椎体骨折患者を対象としたRCTによると、骨セメントを注入する経皮的椎体形成術群(38例)と模擬手術群(40例)の術後成績に差は認められず、両群とも急速に痛みが軽減した。椎体形成術はプラシーボに勝てず。http://1.usa.gov/jPz9Pb

■有痛性の骨粗鬆症椎体骨折患者131名を対象としたRCTによると、経皮的椎体形成術群と対照群(保存療法)を比較したところ、両群間の疼痛および活動障害に差は認められず、椎体形成術の適用を支持する結果は得られなかった。http://1.usa.gov/kvXvxo

■健常者41名を対象に腰部椎間板を5年間にわたってMRIで追跡調査した結果、物理的負荷(重量物の挙上や運搬・腰の回転や屈曲等)という従来の危険因子は椎間板変性とは無関係で、腰痛発症率はむしろ椎間板変性のある方が低かった。http://1.usa.gov/ijefOR

■男性の一卵性双生児115組を対象にMRIで椎間板変性を促進させる危険因子を調査した結果、椎間板変性は仕事やレジャーによる身体的負担、車の運転、喫煙習慣といった物理的因子より、遺伝的因子の影響を強く受けていることが判明。http://1.usa.gov/kWg7Iw

■21~80歳までの腰痛未経験者52名を対象にCATスキャンで腰部椎間板を分析した結果、年齢に関わらず35.4%に何らかの異常が検出され、40歳未満の19.5%に、40歳以上の26.9%に無症候性椎間板ヘルニアが確認。http://1.usa.gov/mBTclS


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-5-

■フィンランドの男性双生児600例を対象とした研究によって、BMI高値、引き上げ筋力が強い、作業強度が高いといった因子はすべて椎間板変性を遅らせるらしいということが、椎間板のMRI信号強度スコアから証明された。http://1.usa.gov/m8HAed

■腰痛分野における遺伝学的影響の研究はまだ初期段階だが、椎間板変性に関する従来の仮説が誤りであることを証明すれば、より有用な仮説に向かって研究が進み、時代遅れの考え方に基づく効果が実証されていない予防法を刷新できる。http://1.usa.gov/jbLioe

■アメリカでは脊椎治療実施率が上昇しているにもかかわらず身体的・機能的アウトカムは低下傾向にある。脊椎医療は次々と色々なことに手を染めているが、その成果は乏しい状況にある。http://1.usa.gov/kBmBqb http://1.usa.gov/lg3HR0

■ノースカロライナ州の地域住民を対象とした研究では、慢性腰痛患者が増加していると共に医療機関の受診率も上昇しているが、画像検査、薬剤投与、理学療法が過剰使用されていて、エビデンスに基づく治療が行なわれていないことが判明。http://1.usa.gov/imqCav

■近年、慢性腰痛に対する医療費が激増している。硬膜外ブロック(629%増)、オピオイド鎮痛剤(423%増)、MRI(307%増)、脊椎固定術(220%増)。しかし患者の症状や活動障害は改善していない。明らかに過剰診療。http://1.usa.gov/lrANBd

■頚部痛と腰痛患者256例を対象に、医師の標準的な治療群、脊椎マニピュレーション群、理学療法群、シャムトリートメント群に割り付けたRCTによると、最も成績が悪かったのは医師の標準的な治療群とシャムトリートメント群だった。http://1.usa.gov/kfFvV6

■急性腰痛患者186例を対象としたRCTによると、安静臥床群、ストレッチ群、日常生活群のうち、最も早く回復したのは日常生活群で、最も回復が遅かったのは安静臥床群だった。腰痛には安静第一は間違い。むしろ回復を妨げる。http://1.usa.gov/mOolz9

■エビデンスに基づく正確な情報を平易かつ理解可能な言葉で患者に提供できれば、腰痛患者は不適切な治療を選択しなくなるだろうが、3つの専門学会と10ヶ所の医療機関のウェブサイトを調査した結果、97%が患者にとって難解だった。http://1.usa.gov/kuWavp

■イラクとアフガニスタンで腰痛を発症した兵士1410名を対象にした前向き研究によると、戦闘中に腰を負傷したのは5%だったにも関わらず原隊復帰率はわずか13%にすぎず、身体的問題よりも心理・社会的問題が原因と考えられる。http://1.usa.gov/mylrz4

■イラクやアフガニスタンから離脱した米軍兵士34,006名を対象とした前向き研究によると、離脱原因は筋骨格系・結合組織疾患(24%)、戦闘による負傷(14%)、神経疾患(10%)などであり、ほとんどが原隊復帰しなかった。http://1.usa.gov/kkNruO


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-4-

■脊柱管狭窄症の治療では、特異的な適応がほとんどない症例や、より簡単な治療で高い効果が得られる明確なエビデンスがある症例に対しても、より複雑な新しい手技(固定術)が行なわれている。エビデンスのないリスクを伴う高価な治療の急増は問題だ。http://1.usa.gov/mntabq

■脊柱管狭窄症で複雑な固定術を受けた患者は、除圧術に比べて命に関わる合併症リスクが3倍(5.6%対2.3%)。術後30日以内に再入院する可能性も高く(13%対7.8%)、手術費用も3倍強にのぼる(80,888$対23,724$)。http://1.usa.gov/lrHYry

■複雑な固定術を必要とする脊柱管狭窄症がわずか6年で15倍に増加したとは考えられない。脊椎分野のオピニオンリーダーの影響や思い込み、経済的利益などの要因が関与している。正確な情報を与えられれば患者は低侵襲性のリスクの小さい手術を選択するだろう。http://n.pr/8XAf9S

■「激しい」「突き刺ささる」「ヒリヒリする」等の言葉で頭を満たした場合、レーザー光による熱刺激に対する感受性が増大して疼痛感覚が増強される。痛みに関連した言葉と疼痛刺激が組み合わさるとプライミング効果で疼痛体験が雪だるま式に膨れ上がる。http://1.usa.gov/mFRvuz

■fMRIを用いた研究によれば、痛みに関連した言葉とイメージを思い浮かべると脳のペインマトリックスが活性化するが、注意を逸らせると活性レベルが低下した。ゆえに痛みをくよくよ考えたり頻繁に話題にしたりする患者は自ら症状を悪化させている。http://1.usa.gov/kRj6OS

■医師による患者を安心させる言葉は、腰痛の改善に大きな力を発揮するだろう。そして患者は腰痛についてくよくよ考え込まないこと、四六時中その痛みについて考えないことが重要である。腰痛のことで頭をいっぱいにすると、プライミング効果で疼痛強度が増すからだ。恐るべきかな言霊の威力。

■腰痛分野の研究はこの20年間で目覚しい進展がみられ、腰痛疾患の疫学や理解が進んだにもかかわらず、腰痛の臨床転帰や活動障害の予防に改善は認められない。集学的チーム医療が行なわれていないからだ。このままでは急速な進歩は見込めない。http://1.usa.gov/kLP8z6

■体重差のある(平均13Kg)一卵性双生児を対象にMRIで腰椎を比較した結果、体重が重い方が腰椎の骨密度が高く、椎間板の状態も良好だった。仕事やスポーツによる累積的かつ反復性の生体力学的負荷が椎間板にダメージを与えるわけではない。http://1.usa.gov/ldX4Zv

■議論の余地がない真実とされる信念、学説、慣行という腰痛分野における「聖域」を侵した双生児研究の業績は大きい。輝かしい賞を数多く受賞しているにもかかわらず、腰への物理的負荷が椎間板変性の危険因子だとする見方は変わらない。目を覚ませ。http://1.usa.gov/jSTEdv

■これまで職場での身体的負荷(重量物の取り扱い、不自然な姿勢での作業など)、自動車の振動、喫煙などが椎間板変性を加速すると考えられていたが、一卵性双生児を対象とした比較研究によって身体的負荷よりもむしろ遺伝子の影響が大きいことを発見。http://1.usa.gov/iPsKBC


 根拠に基づく腰痛の原因と治療-3-

■医療提供者は腰痛に関する患者の誤解を解くと共に、効果的な管理へ導かなければならない。「患者は生体力学的な視点から生体力学的な異常が見つかることを期待している。何らかの形で我々が患者にそのような考え方を教えてきたのである。患者にも再考を迫る必要がある」by David Shute

■現在の腰痛管理システムはけっして理想的なものではなく、腰痛を悪化させる可能性すらあることを示す豊富なエビデンスがある。http://1.usa.gov/lr6fyx

■ノースカロライナ州の地域住民を対象とした最近の研究によると、慢性腰痛があると回答した成人の割合は、1992年には3.9%だったものが2006年には10.2%にまで増加している。http://1.usa.gov/iqOjN01 腰痛を生物・心理・社会的問題として対処しないからだ。

■2年間にわたる追跡調査によると、坐骨神経痛を有する椎間板ヘルニアの手術は保存療法より有益とはいえない。職場復帰率や長期活動障害率においても手術の優位性は認められなかった。坐骨神経痛は手術を受けるか否かに関わらず時間が経てば改善する。http://1.usa.gov/igqtA0

■坐骨神経痛に対する椎間板手術は、保存療法よりある程度の優位性を示すものの一過性でしかない。ノルウェーのRCTでは1~4年間優位性が持続したが http://1.usa.gov/lflO3P
オランダのRCTでは1年未満だった http://1.usa.gov/l8WVTV。

■精神療法が慢性腰痛の有効な治療法になり得るという考えを理解するのは、患者にとっても医師にとっても難しい。腰痛は身体的に治療されるべき症状であり、腰痛が改善すれば身体的問題も心理的問題も軽減されるはずだと多くの人々が考えているからだ。だがその方法論では症状の一部しか軽減されない。

■イギリスで行なわれた701例を対象としたRCTでは、数回にわたる集団での認知行動療法によって慢性腰痛の疼痛と活動障害が改善され、その効果は12ヶ月も持続しただけでなく、費用も一般的な腰痛治療の約半分に抑えられた。http://1.usa.gov/mobdNx

■腰痛疾患の分野では十分な試験が行なわれることなく新しい技術が普及してしまう。アメリカでは脊柱管狭窄症に対する固定術の実施率が15倍に増加したが、それに伴い重篤な合併症、死亡率、再入院による医療費なども増加している。明らかに過剰