腰痛治療の新常識―44―

TMSジャパンメーリングリストより転載

 

■『Tackling Musculoskeletal Problems』には、筋骨格系疾患患者の職場復帰を妨げる重要な心理社会的因子(イエローフラッグ、ブルーフラッグ、ブラックフラッグ)だけでなく、時系列に沿った段階的治療手順が示されている。http://amzn.to/lU1o26

発症後2週間以内に行なうべきは患者の支援である。すなわち、エビデンスに基づく助言、誤った信念の打破、症状のコントロール。この初期段階で手を打てないのが日本の現状。最初からボタンをかけ違えているから腰痛患者が増える一方なのだ。医療関係者とメディアの罪は重い。

発症後2~6週間で行なうべきは簡単な介入である。すなわち、治療+職場環境の調整、心理社会的問題の特定、仕事や活動障害の早期復帰計画を作成すること。ニュージーランドガイドラインである『急性腰痛と危険因子ガイド』(http://amzn.to/Xr17tE)では、もっと早い段階でイエローフラッグを評価するよう勧告している。

発症後6~12週間でシフトチェンジして加速する。すなわち、回復の妨げとなる障害のチェック、職業的リハビリテーションの拡大、効果のない治療の中止だ。繰り返しになるが、筋骨格系疾患を医学的問題として治療すると失敗する。イエローフラッグ、ブルーフラッグ、ブラックフラッグを解決すべき。

発症後12週間を超えた時点で集学的アプローチを加える。すなわち、治療計画と到達目標の再検討、認知行動療法への転換、仕事や活動を再開するためにすべての関係者が最大限の努力をする。とはいえ、認知行動療法的アプローチはできるだけ早い段階で加えた方が慢性化を防ぐと思われる。

発症後26週間で社会的解決へ移行する。すなわち、目標を明確にすると同時にコミュニティサポートの提供、すべての関係者がコミュニケーションを維持、不必要な医学的介入の回避だ。ここまでくるとブラックフラッグへの介入が重要と思われる。医療関係者、政府、企業、メディアを変える必要あり。

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