TMSジャパンメソッドのメールから気になる情報を見つけたので掲載しておきます
↓ここから引用
■ミュータンス菌 脳出血と潰瘍性大腸炎にも関与
加納亜子=日経メディカル
虫歯の原因となるミュータンス菌(Streptococcus mutans)。その感染が脳出血や潰瘍性大腸炎のリスクを4~5倍高めることが最近明らかになった。
原因となるのはミュータンス菌のうち、コラーゲン結合蛋白をコードする遺伝子(CNM)を持ち、グルコースの側鎖がない高病原性株だ。
阪大大学院歯学研究科薬理学准教授の和田孝一郎氏を中心とするグループは、2006年から口腔常在菌と全身疾患の関連を明らかにする取り組みを開始した。菌血症にクモ膜下出血を併発した患者の血液から検出されたミュータンス菌が、標準菌と異なる糖鎖を持つことに着目。健常ボランティア35人と脳出血患者74人から唾液サンプルを採取し、菌株の単離と同定を実施した。
標準株と、抜歯後菌血症患者の血液から分離された高病原性株に分類したところ、健常人では高病原性株が8.5%しか検出されなかったが、脳出血患者からは27.0%と高率に検出された。検出した高病原性株を脳出血のモデルマウスに経静脈投与したところ、症状が悪化したため、高病原性株と脳出血の関連が示された。
また、検証に使われたマウスのうち数個体から、腸管に発赤と若干の浮腫が認められた。和田氏らは同菌が腸炎にも関与していると推測し、潰瘍性大腸炎患者の唾液サンプルを集めて健常人との比較を行った。
その結果、健常人では高病原性株が481例中3.5%だったのに対し、潰瘍性大腸炎患者は56例中14.3%と、高病原性株の検出率が有意に高かった。脳出血と同様に高病原性株を腸炎のモデルマウスに経静脈投与したところ、症状が悪化し、高病原性株は潰瘍性大腸炎にも関与していることが示された。
ミュータンス菌は、歯磨きなどによって歯と歯茎の隙間から血管内に侵入。グルコースの側鎖を持たない高病原性菌は白血球に貪食されにくく、菌血症状態となり、全身に病原性をもたらすと考えられている。
そもそもミュータンス菌は、日本人成人の6~7割が保菌している、多数ある口腔常在菌の一種。生後15カ月から遅くとも5歳までの間に口移しなどで保菌者の唾液から感染する。以前から歯科治療後に感染性心内膜炎を発症するケースが多く、発症とミュータンス菌には関わりがあるのではないかと考えられてきた。
和田氏は「健常人が高病原性のミュータンス菌に感染しても発症しない。血管や腸に炎症がある場合に発症のリスクが高まる」と説明する。和田氏らは現在、他の出血性疾患や免疫系の疾患についても、ミュータンス菌との関連を調べている。
ミュータンス菌による脳出血などの発症リスクは、口腔内の菌量を減らすことで抑えられる可能性がある。研究グループの一人、横浜市立大消化器内科の日暮琢磨氏は「高病原性のミュータンス菌を持つ患者を治療する場合は、疾患の治療だけではなくオーラルケアの指導も必要だろう」と話している。
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長谷川 淳史 九拝
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↑ここまで引用
潰瘍性大腸炎に関しては、いろいろな方向から研究がされていますね。
口腔内の菌が様々な原因の可能性を指摘されています
日常行うオーラルケアもおろそかにできませんね