さっそくガイドラインを読み始めたのですが、
前文内に
「科学的根拠(Evidence Based Medicine;EBM)に基づいた腰痛診療ガイドライン策定に関する研究」
という文章があります。普通に読んでいるとそのままスルーしてしまう文章なのですが、
中にEBMという単語が出てきます。このEBMの使い方に違和感があります。
EBMという単語が無ければ普通の文章なのですが、EBMが入ることでおかしくなります。
EBMとはEvidence Based Medicineの頭文字をとったもので
日本語で訳すと「科学的根拠に基づく医療」という意味になります。つまり上記の文章では
科学的根拠の部分でEBMをかぶせると下記のような文章になってしまいます。
「科学的根拠に基づく医療に基づいた腰痛診療ガイドライン策定に関する研究」
意味不明な文章になってしまいますね。
EBMという単語の誤使用のような気がしますが、あえて科学的根拠にかぶせる必要は無いですね。
前文には推奨度に関するグレード分けもされていますのでざっと記載しておきます
A:行うよう強く推奨する、強い根拠に基づいている
B:行うよう推奨する、中等度の根拠に基づいている
C:行うことを考慮してもよい、弱い根拠に基づいている
D:推奨しない、否定する根拠がある
I:委員会の診断基準を満たすエビデンスがない、あるいは複数のエビデンスがあるが結論が一様ではない
さて第1章の定義に関しては、腰痛の定義とはこのような物ですよとまとめられた章であります
ざっくり簡単に書くと
”○腰痛の部位とは
・腰痛とは最下端の肋骨から殿溝(おしりですね)の間の領域にある痛み”
(国によってこの定義は結構変わってくるみたいです)
”○腰痛の有症期間とは
・急性腰痛 :発症から4週間以内の腰痛
・亜急性腰痛:発症から4週間以上3ヶ月未満
・慢性腰痛 :発症から3ヶ月以上”
”○腰痛の原因
・原因の明らかな腰痛
・原因が明らかではない非特異的腰痛
”
こんな感じになりますが
この章ではTMSジャパン腰痛治療セミナーでは必ず出てくる
イエローフラッグに関しての定義付けは見あたりませんでした。
心理社会的因子に関しては他の章に記載されているのですが、それならば定義の段階で記載があるべきだとは思うのですが。