■『Tackling Musculoskeletal Problems』によると、筋骨格系疾患で重要なのは「長期病欠は不利益」「患者は損傷に苦しんでいるのではなくイエローフラッグ、ブルーフラッグ、ブラックフラッグに苦しんでいる」「患者を助けるには資源や費用は不要」「職場復帰には医師のみならず職場の関与が必要」の4点である。http://amzn.to/lU1o26
拙著『腰痛ガイドブック』(http://amzn.to/12nmFLf)と拙訳『急性腰痛と危険因子ガイド』(http://amzn.to/Xr17tE)で紹介したように、「イエローフラッグ」は臨床転帰不良や慢性疼痛、活動障害をもたらす患者自身の心理社会的問題。痛みを大惨事と捉える、重病だという思い込み、過度の心配、抑うつ、動作恐怖、将来の不安、受動的態度、効果のない治療など。
「ブルーフラッグ」は職場に関連した問題。肉体労働、満足度の低い仕事、職場の社会的支援不足、ストレスの多い仕事、労働環境や作業内容の変更が行なわれない、労使間のコミュニケーション不足など。
「ブラックフラッグ」は患者をとりまく社会的環境に関する問題。会社や医療関係者との意見の不一致、補償問題、各種手続きの遅延、恐怖心を煽るメディアに対する過剰反応、家族からの否定的反応、社会的孤立や社会的機能不全、役立たない職場復帰計画など。
国民の利益になるかもしれません。いちいち承諾を得る必要もなければ、TMSジャパンも愚拙の名前も出す必要はありませんので、SNSはもちろんブログやサイトに引用先のURLごとコピー&ペーストして、情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。