急性腰痛の治療
このページでの急性腰痛とは発症後1ヶ月未満でグリーンライトの腰痛があてはまります。
急性腰痛に推奨する治療法
急性腰痛に推奨しない治療法
根拠に基づく情報
■神経根症状の有無にかかわらず、急性腰痛は一般的に発症後1ヶ月以内に改善
(Weber H,Spine,1983)(Hestbaek L. et al,Eur Spine J, 2003)
(Vroomen PC. Et al, Br J Gen Pract, 2002)(Pengel LH. et al, BMJ, 2003)
■画像検査では原因も特定できなければ臨床転帰も向上せず、医療費の高騰と手術
件数が増加するだけで、X線画像検査では発がんリスク上昇
(Boos N & Lander PH, Eur Spine J, 1996)(Jarvik JG. et al, JAMA, 2003)
(Berrington de Gonzalez A. et al, Lancet, 2004)(Chou R. et al, Lancet, 2009)
■18研究をレビューした結果、安静臥床には効果がないどころか回復が遅れること
が判明した一方で、耐えられる範囲内で日常生活を続けると職場復帰が早くなる
だけでなく、慢性化を防ぐこともでき、再発率も低下させられる
(Waddell G. et al, Br J Gen Pract, 1997)
■39研究をレビューした結果、安静臥床によって何らかの利益が認められた研究は
ひとつもない
(Allen C. et al, Lancet, 1999)
■急性・亜急性の非特異的腰痛は、ベッドで安静にするよりも活動性を維持した方
が効果的で、激痛のために安静臥床を強いられている場合は、できるだけ早く普
段どおりの生活へ戻るべき
(Hilde G. et al, Cochrane Database Syst Rev, 2002)
(Hagen KB. Et al, Cochrane Database Syst Rev, 2004)
■ランバーサポートや冷湿布が有効だというエビデンスはない
(Jellema P. et al, Spine, 2001)
(French SD. et al, Cochrane Database Syst Rev, 2006)
■根拠に基づく『The Back Book』のような読書療法の有効性は、運動療法・鍼
治療・マッサージ・脊椎マニピュレーションといった高価な介入とほぼ同じで費
用対効果が高い
(Cherkin DC. et al, N Engl J Med, 1998)
(Cherkin DC. et al, Arch Intern Med, 2001)
(Hilde G. et al, Cochrane Database Syst Rev, 2002)
(Hagen KB. et al, Cochrane Database Syst Rev 2004)
(Sherman KJ. et al, Ann Intern Med, 2005)
■ホットパックや電気毛布などの温熱療法は、急性腰痛の症状を一時的和らげる
(French SD. et al, Cochrane Database Syst Rev, 2006)
参考文献
TMSジャパンメソッド バージョン2013