■小児期に体験した不幸な出来事(交通事故による入院・親の死亡・両親の離婚・親のアルコール依存・貧困家庭)が壮年期における広範囲な慢性疼痛の予測因子であることが判明。トラウマとなるような体験は慢性疼痛の発症と重症度に関連。http://1.usa.gov/nePOkk
■小児期に虐待(身体的・精神的・性的)やネグレクト(育児放棄)を経験した者は、それらを経験していない者より成人してから慢性疼痛を訴える傾向があることがメタ分析によって明らかとなる。虐待は慢性疼痛のリスクファクターである。http://1.usa.gov/nqfkEH
■過去の不幸な出来事は明らかに慢性腰痛の危険因子ではあるが、両者間にU字曲線が見られたことから軽度の逆境体験は保護的に働く可能性が浮上。軽度の逆境体験者は慢性腰痛による疼痛障害が小さく医療の利用率も低いことが判明。http://1.usa.gov/ol0hCX
■腰下肢痛患者に対する早期画像検査(X線・CT・MRI)の有効性に関するRCTを詳細に分析した結果、レッドフラッグのない患者に画像検査を行なっても臨床転帰は改善しないことが判明。医師は腰下肢痛患者の画像検査を控えるべき。http://1.usa.gov/rpcVg2
■腰痛患者101例を早期X線撮影群と教育的介入群に割り付けたRCTの結果、両群間の重篤疾患・改善率・機能障害・満足度に差は認められなかったことから、患者の不安・不満・機能障害を招かずにX線撮影をやめて医療費の削減は可能。http://1.usa.gov/qlCXOP
■腰痛患者782名を対象としたMRIかCTを早期に使用した場合の臨床転帰と費用対効果に関するRCTでは、早期画像検査による臨床転帰の改善は認められず費用対効果が低いことが判明。X線撮影だけでなくMRIやCTも役立たない。http://1.usa.gov/s0OkVE
■腰痛患者380名をX線撮影群とMRI群に割り付けて臨床転帰を比較したランダム化比較試験によると、両群間の活動障害・改善率・再発頻度などに差は認められなかった。医師も患者もMRIを好むが手術件数が増えて医療費が高騰する。http://1.usa.gov/sxB3et
■腰痛患者421名を対象に腰部X線撮影群と非撮影群を9ヶ月間追跡したRCTによると、両群間の治療成績に差は認められなかったものの、X線撮影群は治療への満足度が高かった。医師はX線撮影に頼らず満足度の向上を目指すべき。http://1.usa.gov/uLyME9
■腰痛患者659名をX線撮影群と非撮影群に割り付けて1年間追跡したランダム化比較試験の結果、両群間の身体機能・疼痛・活動障害の改善率に差は認められなかった。ガイドラインは腰痛患者の腰部X線撮影を避けるよう勧告している。http://1.usa.gov/rrG6so
■腰下肢痛患者246名を対象にMRI所見と保存療法の治療成績について2年間追跡した結果、椎間板ヘルニアは腰痛患者の57%、下肢痛患者の65%に検出されたものの、治療成績とヘルニアのタイプ、大きさ、活動障害は無関係だった。http://1.usa.gov/tZmk9p